肖像権とパブリシティ権
| 肖像権 | パブリシティ権 | |
|---|---|---|
| 誰にある | すべての人 | 主に著名人 |
| 性格 | 人格的な権利 | 財産的な権利 |
| 内容 | 自分の顔や姿を無断で撮影・公開されない | 氏名や肖像が持つ顧客吸引力を独占的に利用できる |
| 根拠 | 判例で認められている(明文の規定はない) | 最高裁判例(ピンク・レディー事件、2012年)で認められている |
どちらも登録によって発生する権利ではありません。
生成AIでのリスク
有名人の顔を生成AIで合成した画像を本人の許可なく広告に使う行為は、AI で作ったものであっても、その人物と認識できる以上、肖像権とパブリシティ権の侵害となる可能性が高く、損害賠償や使用差止めの対象になりえます。「AI 生成」と明記すること、本人が有名人(公人)であることは免責の理由になりません。同僚の顔写真を無断で AI に入力して加工し社内チャットに投稿する行為も肖像権の問題を生じます。有名人の声を再現して CM に使う場合も本人の許諾が必要になりえます。
不正競争防止法:営業秘密
営業秘密として法的保護を受けるには、次の3要件をすべて満たす必要があります。
- 秘密管理性: 秘密として管理されていること
- 有用性: 生産方法や販売方法など事業活動に有用な情報であること
- 非公知性: 公然と知られていないこと
登録や有料であることは要件ではなく、公開されている情報は非公知性を欠くため営業秘密になりません。
入力内容が学習や提供者側の保存に使われる生成AIサービスに社外秘の製造ノウハウを入力すると、秘密として管理していたとは言えない状態になり秘密管理性を失うリスクがあります。さらに学習を通じて他の利用者への出力に内容が現れれば、非公知性も損なわれます。提供者が自動的に秘密保持契約を結ぶことはなく、特許に変わることもありません。
限定提供データ
限定提供データは、2018年の不正競争防止法改正で導入された概念で、会員限定で提供される地図データや気象データ、機械の稼働データなど、業として特定の相手に提供され、電子的に相当量蓄積・管理されている技術上または営業上の情報を指します。秘密として管理されていないため営業秘密には当たりませんが、不正取得・不正使用などから保護されます。公開データや口頭の情報、単なる個人リストは該当しません。
試験で問われる観点
- 肖像権(人格的、誰にでも)とパブリシティ権(財産的、著名人の顧客吸引力)の違い。
- AI 合成でも実在の人物と認識できれば権利侵害になりうる。
- 営業秘密の3要件と、生成AI入力による秘密管理性の喪失リスク。
- 限定提供データの定義。