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AIエージェントの仕組みとツール事例、MCPと外部連携

第3章 現在の生成AIの動向 / 節 4

シラバスのキーワード: AIエージェントGenSparkManusSkywork AIMCPAIエージェントの仕組みAIエージェントのツール事例MCPと外部連携

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AIエージェントとは

AIエージェントは、与えられた目標に対して、自ら計画を立て、Web 検索・コード実行・ファイル操作・外部サービスの操作などのツールを使いながら、複数のステップを自律的に実行してタスクを完了する AI システムです。

従来の対話型 AI(チャットボット)は、質問に対して回答を返すのが中心で、次の行動は利用者が決めます。AI エージェントは、目標を受け取ると必要な手順を自ら組み立て、実行し、結果を見て修正しながら完了まで進めます。料金や対応言語の違いではなく、この「自律的な計画と実行」が本質的な違いです。

動作のループ

AI エージェントは次のサイクルを繰り返します。

  1. 計画(Plan): 目標を分解し、手順を組み立てる。
  2. 実行(Act): ツールを使って手順を実行する。
  3. 観察(Observe): 結果を確認する。
  4. 必要なら計画を修正して次の行動へ。

途中でエラーが起きても別の方法を試し、目標達成まで自律的に進められます。

ツール事例

GenSpark、Manus、Skywork AI は、利用者が目標を伝えると、情報収集、比較表やスライド・レポートの作成、Web 操作などを自律的に進める AI エージェント型のサービスとして知られています。OpenAI の Operator(ブラウザ操作)や Codex(コーディング)も AI エージェントの一種です。

MCP と外部連携

**MCP(Model Context Protocol)**は、AI モデル(エージェント)と外部のツールやデータソース(ファイル、データベース、Web サービスなど)を標準的な方法で接続するためのオープンな規格で、2024年に Anthropic が公開しました。この規格に対応したツールであれば、どの AI からも同じ方法で利用できるため、AI エージェントの外部連携が容易になります。

外部ツールと連携できると、「カレンダーの空きを探して会議を登録し、参加者にメールで案内を送る」といった複数のサービスをまたぐ作業を一連の流れとして実行できます。

業務利用の注意点

試験で問われる観点

この節の練習問題(16問)

答えを見る前に選んでから開いてください。同じ問題は章別演習でランダム出題されます。

  1. 問1
    AIエージェントの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1与えられた大量の文書に対して、あらかじめ設定された規則に従ってラベル付けや分類を行い、その結果を人間の担当者が確認して学習データとして蓄積するAIシステム
    2. 2与えられた目標に対して、人間が事前に定義した固定の手順(ワークフロー)を順番どおりに実行し、途中で計画を見直したり分岐したりせずに処理を終えるAIシステム
    3. 3与えられた目標に対して、自ら計画を立て、Web検索やコード実行などのツールを使いながら、複数のステップを自律的に実行してタスクを完了するAIシステム
    4. 4利用者から受け取った1回の質問に対して、学習済みの知識だけを用いて1回の回答を生成し、追加の操作や外部ツールの呼び出しは行わずに対話を終えるAIシステム
    答えと解説

    正解: 3

    AIエージェントは、目標を与えられると、計画を立て、必要なツール(Web検索、コード実行、ファイル操作、外部サービスの操作など)を使い、結果を観察して次の行動を修正しながら、複数ステップのタスクを自律的にこなすAIシステムです。1問1答で終わる従来のチャットボットとの違いは、この自律的な計画と実行にあります。人材紹介会社やデータ収集担当者は人間の職業で、AIエージェントではありません。

  2. 問2
    AIエージェントの基本的な動作の繰り返し(ループ)として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1利用者の入力を受け取る → 1回だけ回答を生成する → 会話を終了する → 次の入力があれば履歴を消して最初からやり直す
    2. 2学習データを収集する → モデルのパラメータを更新する → 検証データで精度を測る → 精度が足りなければ再学習する
    3. 3ツールを使って実行する → 結果を観察する → 目標を分解して計画する → 計画が完成した時点で処理を終了して利用者に報告する
    4. 4目標を分解して計画する → ツールを使って実行する → 結果を観察する → 必要なら計画を修正して次の行動に進む
    答えと解説

    正解: 4

    AIエージェントは「計画(Plan)→実行(Act)→観察(Observe)」のサイクルを繰り返します。実行結果を観察して計画を見直すことで、途中でエラーが起きても別の方法を試し、目標達成まで自律的に進めます。1回答えて終わる流れは従来のチャットボット、学習してパラメータを公開する流れはモデル開発の工程で、エージェントの動作ループではありません。

  3. 問3
    GenSpark、Manus、Skywork AIに共通する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1調査・資料作成・Web操作などのタスクを自律的にこなすAIエージェント型のサービスである。
    2. 2テキストの指示から静止画や動画を生成することに特化した画像生成モデルである。
    3. 3日本政府が行政手続きのオンライン化のために提供している申請・認証システムである。
    4. 4OpenAIがGPT-4以前に公開していた言語モデルの旧バージョンの名称である。
    答えと解説

    正解: 1

    GenSpark、Manus、Skywork AIはいずれも、利用者が目標を伝えると、Web検索や情報収集、スライド・レポートの作成、Web操作などを自律的に進めるAIエージェント型のサービスとして知られています。画像生成専用モデル、行政システム、GPTの旧バージョンという説明はいずれも誤りです。

  4. 問4
    MCP(Model Context Protocol)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1AIモデルの学習に用いたデータの出所やライセンス(提供元、取得日、利用条件など)をモデルカードに記載するための文書規格
    2. 2AIモデルが外部のツールやデータソース(ファイル、データベース、Webサービスなど)と標準的な方法で接続するためのオープンな規格
    3. 3複数のAIモデル間で学習済みの重み(パラメータ、層構成、活性化関数など)を交換して再利用できるようにしたファイル形式の規格
    4. 4生成AIが出力した文章や画像に、作成者や生成日時などの来歴情報を電子透かしとして埋め込むためのコンテンツ認証の規格
    答えと解説

    正解: 2

    MCPは、AIモデル(エージェント)と外部のツール・データソースをつなぐ共通の接続規格で、2024年にAnthropicが公開しました。この規格に対応したツールであれば、どのAIからも同じ方法で利用できるため、AIエージェントの外部連携を容易にします。学習データの出所を記載するモデルカード、モデルの重みを交換するファイル形式、生成物に来歴情報を埋め込むコンテンツ認証の規格は、いずれもMCPとは別のものです。

  5. 問5
    AIエージェントが外部ツールと連携できることで可能になることの例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1利用者からの指示を待たずに自らの意識や目的を獲得し、人間の関与なしに新しいタスクを次々と生み出して実行する。
    2. 2インターネットに接続しない環境でも、学習データに含まれない世界中の最新ニュースを自力で把握して要約する。
    3. 3カレンダーを確認して空き時間を探し、会議の予定を登録し、参加者にメールで案内を送るまでを一連の流れとして実行する。
    4. 4自身のモデルのパラメータ数を状況に応じて自動的に増減させ、難しい質問ほど大きなモデルに切り替えて回答する。
    答えと解説

    正解: 3

    外部ツールと連携できるAIエージェントは、カレンダーの参照・予定の登録・メール送信のように、複数のサービスをまたぐ作業を一連の流れとして自律的に実行できます。MCPなどの規格はこうした連携を標準化するものです。パラメータ数の自動倍増や意識の獲得は現実の機能ではなく、接続なしに最新ニュースを把握することもできません。

  6. 問6
    AIエージェントを業務で利用する際の注意点として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1重要な操作(送金、削除、公開など)は人間の承認を挟むように設計する。
    2. 2エージェントが自律的に外部サービスを操作するため、誤った操作や意図しない送信が起きないよう権限や確認の仕組みを設ける。
    3. 3エージェントに渡す情報に機密情報や個人情報が含まれないか、事前に確認する。
    4. 4エージェントは自律的に動くので、実行結果を人間が確認する必要はまったくない。
    答えと解説

    正解: 4

    AIエージェントは自律的に複数の操作を行うため、誤った判断がそのまま実行されるリスクがあります。したがって実行結果を人間が確認しなくてよいという考え方は誤りで、権限の制限、機密情報の扱いの確認、重要操作への人間の承認(ヒューマン・イン・ザ・ループ)はいずれも適切な注意点です。

  7. 問7
    従来の対話型AI(チャットボット)とAIエージェントの違いとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1対話型AIは質問に対して回答を返すのが中心だが、AIエージェントは目標に向けて自ら計画し、ツールを使って複数の手順を実行する。
    2. 2対話型AIは目標に向けて自ら計画しツールを使って手順を実行するが、AIエージェントは質問に対して回答を返すことに特化している。
    3. 3対話型AIは文章の入出力しか扱えないが、AIエージェントは画像や音声など複数のモダリティを扱える点が本質的な違いである。
    4. 4対話型AIはクラウド上の大規模モデルで動くが、AIエージェントは端末内の小型モデルで動くため、外部のツールには接続しない。
    答えと解説

    正解: 1

    対話型AIは利用者の質問や指示に応じて文章を返すことが中心で、次の行動は利用者が決めます。AIエージェントは目標を受け取ると、必要な手順を自ら計画し、検索や外部サービスの操作などを実行し、結果を見て修正しながら完了まで進めます。料金や対応言語は違いの本質ではなく、呼び方だけの違いでもありません。

  8. 問8
    営業部門で「競合他社5社の最新の製品情報を調べ、比較表を作り、要点をまとめたスライドにする」作業を効率化したい。生成AIの活用方法として最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1生成AIには複数の手順にまたがる作業は任せられないため、調査だけを対話型AIに1社ずつ質問し、比較表とスライドはすべて手作業で作成する。
    2. 2AIエージェント型のサービスに目標と条件を伝え、調査から比較表・スライド作成までを自律的に進めさせたうえで、内容の正確さを人間が確認する。
    3. 3画像生成AIにスライドのデザインと図表を作らせ、競合5社の製品情報はAIが学習済みの知識だけから出力させて、確認せずにそのまま使う。
    4. 4AIエージェント型のサービスに目標と条件を伝えて調査からスライド作成まで自律的に進めさせ、AIの出力は正確なので確認せずに社内へ配布する。
    答えと解説

    正解: 2

    調査、整理、資料作成のように複数の手順が連なる作業は、AIエージェントが得意とする領域です。目標と条件を伝えれば、Web検索で情報を集め、比較表を作り、スライドにまとめるまでを自律的に進められます。ただし収集した情報の正確さは人間が確認する必要があります。画像や音声の生成AIだけでは調査はできず、複数手順の作業ができないという前提も誤りです。

  9. 問9
    「来週の参加者全員の空き時間を探して会議を登録し、案内メールを送る」という目標を伝えると、必要な手順を自ら組み立てて完了まで進めるAIがある。従来の対話型AIとの本質的な違いとして最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1目標に対して自ら計画を立て、ツールを使って複数の手順を自律的に実行する点
    2. 2より多くの言語に対応し、同時に多くの利用者が同じ時間帯に使える点である
    3. 3月額の料金が高く、法人向けの契約を結んだ場合にしか利用できない点である
    4. 4回答の文章が長く、より丁寧な言葉づかいで利用者に応答してくれる点である
    答えと解説

    正解: 1

    AIエージェントは、与えられた目標に対して自ら計画を立て、Web検索やファイル操作、外部サービスの操作などのツールを使いながら、複数のステップを自律的に実行してタスクを完了するAIです。従来の対話型AIは質問に回答を返すのが中心で、次の行動は利用者が決めます。対応言語、料金、文章の長さは本質的な違いではありません。

  10. 問10
    AIエージェントが繰り返す動作のサイクルとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1計画 → 観察 → 実行 → 結果を確認せずに次の目標へ
    2. 2計画 → 実行 → 観察 → 必要なら計画を修正して次の行動へ
    3. 3観察 → 実行 → 計画 → 利用者に次の行動を尋ねて終了
    4. 4実行 → 計画 → 観察 → 最初の計画どおりに必ず完了
    答えと解説

    正解: 2

    AIエージェントは、目標を分解して手順を組み立てる計画、ツールを使って手順を実行する実行、結果を確認する観察のサイクルを繰り返し、必要なら計画を修正して次の行動に進みます。途中でエラーが起きても別の方法を試し、目標達成まで自律的に進められます。

  11. 問11
    MCP(Model Context Protocol)の役割と公開元の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1文中の単語を隠して前後の文脈から当てる事前学習の方法で、2018年にGoogleがBERTで採用した
    2. 2人間の評価をもとに報酬モデルを学習させて調整する手法で、2022年にOpenAIがChatGPTで採用した
    3. 3AIと外部のツールやデータを標準的な方法で接続する規格で、2024年にAnthropicが公開した
    4. 4テキストの指示から映像を生成する動画生成のモデルで、2024年にOpenAIが発表して話題になった
    答えと解説

    正解: 3

    MCPは、AIモデル(エージェント)と外部のツールやデータソース(ファイル、データベース、Webサービスなど)を標準的な方法で接続するためのオープンな規格で、2024年にAnthropicが公開しました。対応したツールはどのAIからも同じ方法で使えます。動画生成はSora、単語の穴埋め学習はMLM、人間の評価による調整はRLHFの説明です。

  12. 問12
    AIエージェントを業務で使うときの注意点として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1誤った操作や意図しない送信が起きないよう、権限の制限と確認の仕組みを設ける
    2. 2渡す情報に機密情報や個人情報が含まれないか、事前に確認する
    3. 3送金、削除、公開などの重要な操作には人間の承認を挟む設計にする
    4. 4自律的に動く仕組みなので、実行結果の確認は省略して完了を待つだけでよい
    答えと解説

    正解: 4

    AIエージェントは自律的に外部サービスを操作するため、権限の制限と確認の仕組み、機密情報の事前確認、重要な操作への人間の承認(ヒューマン・イン・ザ・ループ)が必要です。自律的に動くからといって実行結果の確認を省略してよいわけではなく、その記述は不適切です。

  13. 問13
    GenSpark、Manus、Skywork AIに共通する位置づけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1利用者が目標を伝えると、情報収集や資料作成、Web操作などを自律的に進めるエージェント型サービス
    2. 2テキストの指示から映像を生成する動画生成AIのサービスで、映像と同時に音声も生成できるもの
    3. 3社内文書を検索して回答に付け加えるための、RAG専用に設計されたベクトルデータベースの製品
    4. 4画像の縦横サイズを揃えるリサイズや画素値の正規化を自動で行う、画像の前処理に特化したツール
    答えと解説

    正解: 1

    GenSpark、Manus、Skywork AIは、利用者が目標を伝えると情報収集、比較表やスライド・レポートの作成、Web操作などを自律的に進めるAIエージェント型のサービスとして知られています。動画生成、ベクトルデータベース、画像の前処理ツールではありません。

  14. 問14
    経費精算の処理をAIエージェントに任せる設計で、「申請内容の整理と仕訳案の作成」と「口座への振込の実行」の扱いとして最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1エージェントは誤る可能性があるので、整理も振込もすべて人間が手作業で行う
    2. 2整理と仕訳案の作成はエージェントに任せ、振込の実行には人間の承認を挟む
    3. 3整理も振込もすべてエージェントに任せ、処理の速さを優先して人間は関与しない
    4. 4振込の実行だけをエージェントに任せ、整理と仕訳案の作成は人間が手作業で行う
    答えと解説

    正解: 2

    送金、削除、公開のような取り消しにくい重要な操作には人間の承認を挟む設計(ヒューマン・イン・ザ・ループ)が基本です。整理や仕訳案の作成のようにやり直しがきく作業はエージェントに任せ、振込の実行は人間が承認します。すべてを任せる設計は誤操作のリスクが大きく、振込だけを任せる設計はリスクの高い操作を自動化する逆の判断で、すべてを手作業に戻す設計はエージェントを使う意味がありません。

  15. 問15
    AIエージェントの外部連携に関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1外部ツールと連携できると、複数のサービスをまたぐ作業を一連の流れとして実行できる
    2. 2カレンダーの空きを探して会議を登録し、参加者にメールで案内を送るといった作業が可能になる
    3. 3MCPはOpenAIが2017年に公開した規格で、Transformerの一部として組み込まれている
    4. 4MCPに対応したツールは、どのAIからも同じ方法で利用できる
    答えと解説

    正解: 3

    MCPはAIと外部ツールを標準的な方法で接続するオープンな規格で、2024年にAnthropicが公開しました。対応ツールはどのAIからも同じ方法で使え、複数のサービスをまたぐ作業を一連の流れとして実行できます。「OpenAIが2017年に公開しTransformerの一部」という記述は誤りです。

  16. 問16
    市場調査をAIエージェントに任せる際、調査の参考として顧客リスト(氏名と連絡先を含む)を渡そうとしている。最も適切な対応を1つ選びなさい。
    1. 1エージェントは社内のシステム上で動いているので、個人情報を含んでいてもそのまま渡して構わない
    2. 2調査の精度を上げるために、顧客リストに加えて取引履歴や問い合わせ記録もすべて渡す
    3. 3個人情報を渡したことを後から記録に残しておけば、渡す前の確認は省略しても問題ない
    4. 4外部サービスに情報が送られる可能性があるため、個人情報を含むデータは渡す前に除外やマスキングを行う
    答えと解説

    正解: 4

    AIエージェントは自律的に外部サービスを操作し情報を送る可能性があるため、渡す情報に機密情報や個人情報が含まれないかを事前に確認し、必要なら除外やマスキングを行います。社内で動いていることや、後から記録を残すことは、事前確認を省く理由になりません。取引履歴まで渡すのはリスクを広げるだけです。