生成AIパスポート › Web参考書 › 第3章

生成AIができること:テキスト・画像・音楽・音声・動画と画像処理の基礎用語

第3章 現在の生成AIの動向 / 節 1

シラバスのキーワード: テキスト生成AI画像生成AI音楽生成AI音声生成AI動画生成AI画像のリサイズ正規化データの水増し(augmentation)データ拡張技術リマスタリングClaudeGeminiSora自己回帰モデルVeo3

本文を読んだあと、覚えているか確認してください。

生成物の種類と代表的なサービス

生成物 内容 代表例
テキスト 文章の作成・要約・翻訳・会話 ChatGPT、Claude、Gemini
画像 指示文からの画像生成、既存画像の編集 ChatGPT の画像生成、Midjourney、Stable Diffusion
音楽 ジャンルや歌詞の指示から楽曲を生成 Suno、Udio
音声 テキストの読み上げ、特定の話者の声の合成 各社の音声合成サービス
動画 指示文から映像を生成 Sora(OpenAI)、Veo3(Google)、Runway、Luma

Veo3 は Google の動画生成AIで、映像と同時に音声も生成できる点が特徴です。Sora は OpenAI の動画生成AIです。音声生成AIは「声」、音楽生成AIは「曲」を作るものとして区別します。

画像処理の基礎用語

シラバスには、画像を扱う AI の前処理や技術に関する用語が含まれています。

用語 意味
リサイズ 画像の縦横サイズを、モデルの入力サイズに揃える
正規化 0〜255 などの画素値を 0〜1 などの一定の範囲に変換し、学習を安定させる
データの水増し(データ拡張、augmentation) 回転・反転・明るさの変更・切り抜きなどで1枚の画像から複数の学習データを作り、過学習を抑える
リマスタリング 古い映像や音源を高解像度化・ノイズ除去して高品質にする。AI による超解像が使われる

「正規化」は第1章の「正則化」(過学習対策)と名前が似ていますが、まったく別の処理です。

画像生成における自己回帰モデル

画像生成の方式には、ノイズだらけの画像から段階的にノイズを取り除いて画像を作る拡散モデル(Stable Diffusion など)と、画像を小さな単位(トークン)の列として扱い、テキスト生成と同じように次の単位を順番に予測して組み立てる自己回帰モデルがあります。ChatGPT の画像生成機能が自己回帰方式を採用したことで、文字を含む画像の精度が上がったと注目されました。

使い分けの考え方

広報物のように「原稿」「画像」「動画」を同時に用意する場面では、生成物の種類に応じてテキスト生成AI、画像生成AI、動画生成AIを使い分け、生成後に事実関係と権利面を人間が確認します。1種類の AI ですべてを賄うことはできません。

試験で問われる観点

この節の練習問題(16問)

答えを見る前に選んでから開いてください。同じ問題は章別演習でランダム出題されます。

  1. 問1
    現在の生成AIが生成できるものの組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1テキスト・画像・音楽・音声・動画
    2. 2画像・音楽・音声・動画のみ
    3. 3テキスト・画像・音楽のみ
    4. 4テキスト・音声・動画のみ
    答えと解説

    正解: 1

    生成AIはテキスト(ChatGPT、Claude、Geminiなど)だけでなく、画像(画像生成AI)、音楽、音声(音声合成)、動画(Sora、Veo3など)まで幅広いコンテンツを生成できるようになっています。テキストのみ、テキストと画像のみ、画像と動画のみといった限定は現状に合いません。

  2. 問2
    動画生成AIに関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1動画生成AIは2026年時点でも研究段階にとどまり、SoraやVeo3は一般の利用者には公開されていない。
    2. 2SoraはOpenAI、Veo3はGoogleが提供する動画生成AIで、テキストの指示から動画を生成できる。
    3. 3SoraはGoogle、Veo3はOpenAIが提供する動画生成AIで、テキストの指示から動画を生成できる。
    4. 4SoraとVeo3はどちらもMicrosoftが提供する音声生成AIで、テキストの指示からナレーションを生成できる。
    答えと解説

    正解: 2

    SoraはOpenAIが、Veo3はGoogleが提供する動画生成AIで、いずれもテキストの指示から新しい映像を生成できます。Veo3は映像と同時に音声も生成できる点が特徴です。ほかにRunwayやLumaなどのサービスもあり、すでに一般に利用可能です。静止画を並べるだけという説明、Microsoftの音声生成AIという説明、研究段階という説明はいずれも誤りです。

  3. 問3
    画像認識モデルの学習において、1枚の画像を回転・反転・切り抜きなどで加工して学習データの数を増やす技術を何と呼ぶか。正しいものを1つ選びなさい。
    1. 1データの正規化(標準化、normalization)
    2. 2データのクレンジング(前処理、cleansing)
    3. 3データの水増し(データ拡張、augmentation)
    4. 4データのアノテーション(ラベル付け、annotation)
    答えと解説

    正解: 3

    データの水増し(データ拡張、augmentation)は、元の画像に回転・反転・明るさの変更・切り抜きなどを施して、見かけ上の学習データを増やす技術です。少ないデータでも多様なパターンを学習でき、過学習の抑制にもつながります。正規化は画素値の範囲を揃える前処理、クレンジングは誤りや欠損のあるデータを除去・修正する前処理、アノテーションは正解ラベルを付ける作業で、いずれもデータ数を増やす技術ではありません。

  4. 問4
    画像をAIモデルに入力する前の前処理として行う「リサイズ」と「正規化」の説明の組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
    1. 1リサイズ: 画素の値を一定の範囲(0〜1など)に変換して揃える。正規化: 画像の縦横サイズをモデルの入力サイズに揃える。
    2. 2リサイズ: 画像を圧縮してファイルサイズを減らす。正規化: 画像の色をグレースケールに変換して色情報を取り除く。
    3. 3リサイズ: 画像の縦横比を保ったまま回転や反転を加えて枚数を増やす。正規化: 画像を学習用と検証用に一定の比率で分割する。
    4. 4リサイズ: 画像の縦横サイズをモデルの入力サイズに揃える。正規化: 画素の値を一定の範囲(0〜1など)に変換して揃える。
    答えと解説

    正解: 4

    多くの画像認識モデルは決まったサイズの入力を前提とするため、リサイズで縦横のサイズを揃えます。正規化は、0〜255などの画素値を0〜1のような一定の範囲に変換し、学習を安定させる前処理です。両者の説明を入れ替えたものは誤りです。ファイルサイズの圧縮やグレースケール化、回転や反転による枚数の増加(データ拡張)、学習用と検証用の分割は、これらの用語の意味ではありません。

  5. 問5
    AIを使った「リマスタリング」の例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1古い低解像度の映像を高解像度化し、ノイズを除去して見やすくする。
    2. 2映画の脚本や登場人物の設定を、指示文からゼロから新しく書き起こす。
    3. 3写真に写った人物の顔を、別の人物の顔に自然に置き換えて合成する。
    4. 4既存の映像に登場する俳優の音声を、別の言語の音声に吹き替える。
    答えと解説

    正解: 1

    リマスタリングは、古い映像や音源を高画質化・高音質化する処理で、AIによる超解像やノイズ除去が使われます。脚本の執筆はテキスト生成、顔の置き換えはディープフェイク技術、翻訳はテキスト生成AIの用途で、リマスタリングではありません。

  6. 問6
    音声生成AIと音楽生成AIの違いに関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1音声生成AIは録音した音声からノイズを除去して文字起こしするもので、音楽生成AIは既存の楽曲を分析してジャンルやテンポを分類するものである。
    2. 2音声生成AIはテキストを人の声で読み上げたり特定の人物の声を合成したりするもので、音楽生成AIは指示に応じて楽曲(メロディや伴奏、歌)を作るものである。
    3. 3音声生成AIは指示に応じて楽曲(メロディや伴奏、歌)を作るもので、音楽生成AIはテキストを人の声で読み上げたり特定の人物の声を合成したりするものである。
    4. 4音声生成AIは人の声を認識して命令を実行するもので、音楽生成AIは楽譜の画像を読み取ってMIDIデータに変換するものである。
    答えと解説

    正解: 2

    音声生成AIはテキスト読み上げ(TTS)や特定の話者の声の合成が中心で、ナレーションや音声アシスタントに使われます。音楽生成AIは、ジャンルや歌詞の指示から楽曲を作るもので、SunoやUdioなどが知られています。両者は生成物が異なり、同じ技術の別名ではなく、動画や画像の専用でもありません。

  7. 問7
    画像生成における「自己回帰モデル」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1画像を潜在変数の確率分布に圧縮し、その分布から一度にサンプリングして画像全体を同時に復元する方式
    2. 2本物らしい画像を作る生成器と、本物と偽物を見分ける識別器を競わせることで、画像の品質を高めていく方式
    3. 3画像を小さな単位(トークン)の列として扱い、文章の単語を順に予測するように、次の単位を順番に生成していく方式
    4. 4ノイズだらけの画像から出発し、学習したノイズ除去の過程を繰り返して段階的にノイズを取り除き、画像を作り上げる方式
    答えと解説

    正解: 3

    自己回帰モデルによる画像生成は、画像をトークンの列として扱い、テキスト生成と同じように次のトークンを順に予測して画像を組み立てる方式です。ChatGPTの画像生成機能がこの方式を採用したことで注目されました。ノイズを段階的に取り除く方式は拡散モデル(Stable Diffusionなど)で、下絵の拡大や塗りつぶしは生成方式の説明ではありません。

  8. 問8
    広報担当者が「新商品の紹介動画のナレーション原稿」「商品イメージ画像」「15秒の紹介動画」を短時間で用意したい。生成AIの使い分けとして最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1原稿と画像はテキスト生成AIで一度に作り、動画は画像生成AIに原稿を入力して作り、内容の確認は動画のみ行う。
    2. 2原稿はテキスト生成AI、イメージ画像は画像生成AI、動画は音楽生成AIで作り、確認は最終的な動画だけで済ませる。
    3. 3原稿・画像・動画を1つの動画生成AIに一括で作らせ、生成物は加工せずそのまま公開用の素材として使う。
    4. 4原稿はテキスト生成AI、イメージ画像は画像生成AI、動画は動画生成AIで作り、それぞれ内容を確認する。
    答えと解説

    正解: 4

    生成物の種類に応じて、テキストはテキスト生成AI、画像は画像生成AI、動画は動画生成AIと使い分けるのが基本です。生成後は事実関係や権利面を人間が確認します。音楽生成AIや画像生成AIだけで全部を賄うことはできず、広報物に生成AIが使えないという前提も誤りです。

  9. 問9
    新商品の紹介用に、指示文から30秒の映像を作りたい。この用途に該当する生成AIと代表的なサービスの組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1画像生成AI。MidjourneyやStable Diffusionが代表例である
    2. 2音声生成AI。各社の音声合成サービスが代表例である
    3. 3動画生成AI。OpenAIのSoraやGoogleのVeo3が代表例である
    4. 4音楽生成AI。SunoやUdioが代表例である
    答えと解説

    正解: 3

    指示文から映像を作るのは動画生成AIで、OpenAIのSoraやGoogleのVeo3が代表例です。音楽生成AIは曲、画像生成AIは静止画、音声生成AIは声を作るもので、映像の生成には該当しません。

  10. 問10
    画像を扱うAIの前処理に関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1リサイズは、画像の縦横サイズをモデルの入力サイズに揃える処理である
    2. 2正規化は、0〜255などの画素値を0〜1などの一定の範囲に変換して学習を安定させる処理である
    3. 3データ拡張は、回転・反転・明るさの変更などで1枚の画像から複数の学習データを作る処理である
    4. 4正規化は、重みが大きくなりすぎることにペナルティを与えて過学習を防ぐ処理である
    答えと解説

    正解: 4

    リサイズはサイズを揃える処理、正規化は画素値の範囲を一定に変換する処理、データ拡張は画像を加工して学習データを増やす処理です。重みにペナルティを与えて過学習を防ぐのは「正則化」であり、正規化とは別の処理なので、その記述は不適切です。

  11. 問11
    「リマスタリング」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1古い映像や音源を高解像度化やノイズ除去で高品質にする処理で、AIの超解像が使われる
    2. 2画像の縦横サイズをモデルの入力サイズに合わせて縮小または拡大する前処理のこと
    3. 31枚の画像を回転・反転させて複数の学習データを作り、過学習を抑える処理のこと
    4. 4ノイズだらけの画像から段階的にノイズを取り除いて新しい画像を生成する方式のこと
    答えと解説

    正解: 1

    リマスタリングは、古い映像や音源を高解像度化・ノイズ除去して高品質にする処理で、AIによる超解像が使われます。サイズを合わせるのはリサイズ、回転・反転で学習データを増やすのはデータ拡張、ノイズを段階的に除去して生成するのは拡散モデルの説明です。

  12. 問12
    画像生成における拡散モデルと自己回帰モデルの違いの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1拡散モデルは人間が描いた下絵を必ず必要とし、自己回帰モデルは下絵なしで指示文だけから画像を作ることができる
    2. 2拡散モデルはノイズを段階的に取り除いて画像を作り、自己回帰モデルは画像を小さな単位の列として次の単位を順に予測して組み立てる
    3. 3拡散モデルは画像を小さな単位の列として次の単位を順に予測して組み立て、自己回帰モデルはノイズを段階的に取り除いて画像を作る
    4. 4拡散モデルは生成器と識別器を競わせて画像を作り、自己回帰モデルはエンコーダとデコーダで潜在ベクトルを介して画像を作る
    答えと解説

    正解: 2

    拡散モデル(Stable Diffusionなど)はノイズだらけの画像から段階的にノイズを取り除いて画像を作り、自己回帰モデルは画像を小さな単位(トークン)の列として扱い、テキスト生成と同じように次の単位を順番に予測して組み立てます。両者を逆にした説明は誤りで、生成器と識別器はGAN、エンコーダとデコーダはVAEの構成です。下絵の要否は方式の違いではありません。

  13. 問13
    広報担当者が、新サービスの告知に原稿・画像・動画を同時に用意したい。生成AIの使い方として最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 11種類の生成AIですべての種類の生成物を同じ品質で作れるため、使い分けを考える必要はない
    2. 2生成AIの出力は著作権や事実関係の問題が起きない仕様なので、確認せずにそのまま公開する
    3. 3生成物の種類に応じてテキスト・画像・動画の生成AIを使い分け、生成後に事実関係と権利面を人間が確認する
    4. 4テキスト生成AIは文章しか作れないので、画像と動画は生成AIを使わず外注する以外に方法はない
    答えと解説

    正解: 3

    原稿・画像・動画を同時に用意する場面では、生成物の種類に応じてテキスト生成AI、画像生成AI、動画生成AIを使い分け、生成後に事実関係と権利面を人間が確認します。画像や動画も生成AIで作れるので外注しかないという説明は誤りで、1種類のAIですべてを同じ品質で賄うこともできません。生成物は権利や事実関係の確認が必要で、確認なしの公開は不適切です。

  14. 問14
    「データの水増し(データ拡張)」の目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1画素値の範囲を0〜1などに一定に変換して、学習が安定するようにする
    2. 2画像の縦横サイズをモデルの入力サイズに合わせて縮小・拡大で揃える
    3. 3古い映像をノイズ除去と高解像度化で、視聴に耐える品質に引き上げる
    4. 4回転や反転で1枚の画像から複数の学習データを作り、過学習を抑える
    答えと解説

    正解: 4

    データ拡張(データの水増し)は、回転・反転・明るさの変更・切り抜きなどで1枚の画像から複数の学習データを作り、多様性を持たせて過学習を抑える手法です。画素値の変換は正規化、サイズ合わせはリサイズ、高解像度化はリマスタリングの説明です。

  15. 問15
    生成AIの生成物に関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1生成AIが作れるのはテキストだけで、画像や動画は別の技術で人間が作る必要がある
    2. 2音楽生成AIはジャンルや歌詞の指示から楽曲を生成し、SunoやUdioが代表例である
    3. 3音声生成AIはテキストの読み上げや特定の話者の声の合成を行う
    4. 4Veo3はGoogleの動画生成AIで、映像と同時に音声も生成できる点が特徴である
    答えと解説

    正解: 1

    生成AIはテキストだけでなく画像・音楽・音声・動画も生成できます。音楽生成はSunoやUdio、動画生成はSoraやVeo3が代表例で、Veo3は映像と同時に音声も生成できます。「テキストだけ」という記述は誤りです。

  16. 問16
    動画生成AIと開発元の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1SoraはMicrosoft、Veo3はAnthropic
    2. 2SoraはOpenAI、Veo3はGoogle
    3. 3SoraはGoogle、Veo3はOpenAI
    4. 4SoraはAnthropic、Veo3はMicrosoft
    答えと解説

    正解: 2

    SoraはOpenAIの動画生成AI、Veo3はGoogleの動画生成AIです。AnthropicはClaude、MicrosoftはCopilotの開発元で、動画生成AIのSoraやVeo3とは対応しません。