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ChatGPTの機能と周辺:ハルシネーション、マルチモーダル、Code Interpreter、GPTs、Sora、Operator、Codex

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI) / 節 4

シラバスのキーワード: ハルシネーション(Hallucination)マルチモーダルCode InterpreterGPTsSoraOperatorCodexImage Generation

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マンガで学ぶ ハルシネーション

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ハルシネーション

**ハルシネーション(幻覚)**は、生成AIが事実に基づかない内容を、もっともらしく自信があるかのように出力する現象です。言語モデルは「確率的にもっともらしい続き」を生成しているだけなので、存在しない法律の条文、架空の判例、誤った統計をそれらしく答えることがあります。法律や数値のように正確さが必要な情報は、必ず一次資料で確認します。「同じ質問を繰り返して同じ答えが出た」ことは正しさの根拠にはなりません。

マルチモーダル

モダリティとは情報の種類(テキスト、画像、音声、動画など)のことで、マルチモーダルな AI は複数の種類の情報を入力または出力として扱えます。画像を見せて質問する、音声で会話する、といった使い方ができる GPT-4o が代表例です。多言語対応や同時利用者数の話ではありません。

ChatGPT の機能

機能 内容
Code Interpreter(データ分析) 会話の中で Python コードを生成し、隔離された環境で実際に実行して、集計・グラフ作成・ファイル変換などを行う
GPTs 指示文・参考資料・外部連携を設定して、用途特化のカスタム ChatGPT を作り、共有できる仕組み(2023年11月〜)
Image Generation(画像生成) テキストの指示から画像を生成し、既存の画像を編集できる。2025年に GPT-4o ベースになり、文字を含む画像の精度が向上

OpenAI の周辺サービス

名称 内容
Sora テキストの指示から動画を生成するモデル・サービス(2024年発表)
Operator Web ブラウザを自ら操作して、予約や購入などのタスクを利用者の代わりに実行する AI エージェント(2025年1月発表)
Codex コードの記述・修正・テストなど開発作業を自律的に進めるコーディングエージェント

Sora は動画、Operator はブラウザ操作、Codex はソフトウェア開発、と生成物・用途で区別して覚えます。

ケースで考える

社員が ChatGPT の回答をそのまま顧客向け資料に載せようとしている場面では、ハルシネーションの可能性を前提に、条文番号や数値を原文で確認するよう指示するのが適切です。「AI は常に正確」「利用を全面禁止」「同じ答えが2回出たら正しい」はいずれも不適切です。

試験で問われる観点

この節の練習問題(16問)

答えを見る前に選んでから開いてください。同じ問題は章別演習でランダム出題されます。

  1. 問1
    生成AIが、事実に基づかない内容をもっともらしく生成してしまう現象を何と呼ぶか。正しいものを1つ選びなさい。
    1. 1ハルシネーション
    2. 2アライメント
    3. 3ファインチューニング
    4. 4マルチモーダル
    答えと解説

    正解: 1

    ハルシネーション(幻覚)は、生成AIが存在しない事実や誤った情報を、自信があるかのような自然な文章で出力してしまう現象です。言語モデルは「もっともらしい続き」を確率的に生成しているため起こります。出力の事実確認が必要な理由の一つです。アライメントは人間の意図に沿わせる調整、ファインチューニングは追加学習、マルチモーダルは複数の種類のデータを扱う性質を指します。

  2. 問2
    「マルチモーダル」なAIの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1日本語・英語・中国語など複数の言語(ロケール)の文章を入力または出力として扱えるAI
    2. 2テキスト・画像・音声など複数の種類(モダリティ)の情報を入力または出力として扱えるAI
    3. 3複数の利用者からの要求(セッション)を同時に受け付け、それぞれに並行して応答できるAI
    4. 4複数のサーバーやGPU(ノード)に処理を分散し、1台では扱えない規模の計算を実行できるAI
    答えと解説

    正解: 2

    モダリティとは情報の種類(テキスト、画像、音声、動画など)のことで、マルチモーダルAIは複数のモダリティを組み合わせて理解・生成できるAIを指します。画像を見せて質問に答えさせたり、音声で会話したりできるGPT-4oが代表例です。多言語対応、同時利用者数、分散処理はいずれもモダリティとは別の話です。

  3. 問3
    ChatGPTの機能「Code Interpreter(現在のデータ分析機能)」でできることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1他の利用者との会話履歴を横断的に検索して、似た質問への回答を集計・表示する。
    2. 2モデル自体のパラメータを利用者のデータで再学習し、専用モデルとして保存する。
    3. 3プログラムコードを実際に実行して、データの集計・グラフ作成・ファイル変換などを行う。
    4. 4利用者のパソコン上でプログラムを直接実行し、ローカルのファイルやアプリを操作する。
    答えと解説

    正解: 3

    Code Interpreterは、ChatGPTが会話の中でPythonなどのコードを生成し、隔離された環境で実際に実行して結果を返す機能です。アップロードしたCSVの集計、グラフの描画、ファイル形式の変換などが自然言語の指示だけで行えます。コードが実行されるのはOpenAI側の隔離環境であり、利用者のPC上のファイルやアプリを直接操作することはできません。他の利用者の会話履歴を検索したり、モデルのパラメータを再学習して保存したりする機能でもありません。

  4. 問4
    「GPTs」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1開発者がAPIキーを取得し、自社のアプリケーションからGPTモデルの推論を従量課金で呼び出せる法人向けの仕組み
    2. 2OpenAIがGPT-1からGPT-4までの各世代のモデルとその学習データをまとめて公開し、研究者が比較できる仕組み
    3. 3利用者が過去の会話履歴を保存し、別の会話でも同じ内容をChatGPTが参照して回答できるようにするメモリ機能
    4. 4利用者が指示文や参考資料、外部連携を設定して、特定の用途向けにカスタマイズしたChatGPTを作成・共有できる仕組み
    答えと解説

    正解: 4

    GPTsは2023年11月に導入された機能で、プログラミングをせずに、指示(カスタム指示)や知識ファイル、外部サービスとの連携を設定して独自のChatGPTを作り、他の人と共有できる仕組みです。APIキーで自社アプリから呼び出す仕組みは開発者向けのAPI、過去の会話内容を別の会話でも参照するのはメモリ機能で、GPTsとは別の機能です。各世代のモデルと学習データを公開する仕組みという説明も誤りです。

  5. 問5
    OpenAIの「Sora」が生成するものとして正しいものを1つ選びなさい。
    1. 1動画
    2. 2音楽
    3. 33Dプリンタ用の設計図
    4. 4表計算ファイル
    答えと解説

    正解: 1

    Soraは、テキストの指示から動画を生成するOpenAIのモデル・サービスです。2024年に発表され、その後一般提供されました。音楽生成はSunoやUdioなど別のサービスが知られており、設計図や表計算ファイルの生成はSoraの用途ではありません。

  6. 問6
    OpenAIの「Operator」と「Codex」の説明の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1Operator: ソフトウェア開発の作業を自律的に行うコーディングエージェント。Codex: Webブラウザを自ら操作して予約や購入などのタスクを代行するエージェント。
    2. 2Operator: Webブラウザを自ら操作して予約や購入などのタスクを代行するエージェント。Codex: ソフトウェア開発の作業を自律的に行うコーディングエージェント。
    3. 3Operator: 音声で対話しながら家電を操作するスマートスピーカー向けの音声アシスタント。Codex: 論文や技術文書を検索して要約するリサーチ専用のエージェント。
    4. 4Operator: 企業のサーバー運用を監視して障害に自動対応する運用管理ツール。Codex: プログラムのソースコードを暗号化して保護するセキュリティサービス。
    答えと解説

    正解: 2

    Operatorは2025年1月に発表された、ブラウザ上でWebサイトを閲覧・クリック・入力しながら、予約や買い物などのタスクを利用者の代わりに実行するAIエージェントです。Codexは、コードの記述・修正・テストなど開発作業を自律的に進めるコーディングエージェントです。作曲や画像生成、電話応対、旧モデルの別名という説明はいずれも誤りです。

  7. 問7
    ChatGPTの画像生成機能(Image Generation)に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1画像の中に含まれる文字や物体を読み取って説明文を作る機能で、画像を新たに生成したり編集したりすることはできない。
    2. 2アップロードした動画から任意の場面を静止画として切り出す機能で、切り出した画像に文字を重ねることもできる。
    3. 3テキストの指示から画像を生成したり、既存の画像をもとに編集したりできる機能で、文字を含む画像の生成精度が向上した。
    4. 4利用者がアップロードした写真を自動的に学習データに追加し、次回以降の生成に本人の顔を反映させる機能である。
    答えと解説

    正解: 3

    ChatGPTの画像生成機能は、テキストの指示から画像を作るほか、アップロードした画像を指示に沿って編集することもできます。2025年にGPT-4oベースの画像生成に切り替わり、看板やポスターなど文字を含む画像の正確さが大きく改善しました。顔写真の無断収集、文字の読み取り専用、静止画の切り出し専用という説明は誤りです。

  8. 問8
    社員がChatGPTに「ある法律の条文番号と内容」を尋ね、出力された回答をそのまま顧客向け資料に載せようとしている。上司の対応として最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1ChatGPTは公開情報を学習しているため、有料版(最新モデル)で同じ質問をし直し、その回答であればそのまま掲載してよいと承認する。
    2. 2AIの出力には誤りが含まれうるため、資料には「AIが生成した内容であり正確性は保証しない」と注記したうえで確認せずに掲載するよう指示する。
    3. 3ハルシネーションの可能性があるため、同じ質問を別の言い回しで数回入力し、回答が一致すれば正しいと判断して使うよう指示する。
    4. 4ハルシネーションの可能性があるため、条文番号と内容を法令の原文(e-Gov法令検索など)で確認してから使うよう指示する。
    答えと解説

    正解: 4

    生成AIは存在しない条文や誤った内容をもっともらしく出力することがあり(ハルシネーション)、特に法律や数値のような正確さが必要な情報は一次資料での確認が欠かせません。「常に正確」という前提は誤りです。全面禁止は過剰な対応で、リスクを理解して使うことが求められます。同じ質問を繰り返して同じ答えが出ても、誤りが再現されるだけで正しさの保証にはなりません。

  9. 問9
    法務担当者が、契約書のひな形に入れる条文の番号をChatGPTに尋ね、回答をそのまま使おうとしている。最も適切な対応を1つ選びなさい。
    1. 1生成AIは存在しない条文をもっともらしく答えることがあるため、条文番号は法令の原文で確認してから使う
    2. 2同じ質問をもう一度して同じ番号が返ってくれば正しいと判断し、確認なしでそのまま使う
    3. 3ChatGPTは法律の専門家が監修しているため、条文番号は常に正確であり、そのまま使ってよい
    4. 4ハルシネーションは画像生成だけで起きる現象なので、テキストの回答は確認せずに使ってよい
    答えと解説

    正解: 1

    ハルシネーションは、生成AIが事実に基づかない内容をもっともらしく出力する現象で、存在しない条文や判例、誤った数値を答えることがあります。言語モデルは確率的にもっともらしい続きを生成しているだけなので、条文番号のように正確さが要る情報は法令の原文で確認します。同じ回答が2回出ても正しさの保証にはならず、専門家が監修しているという前提も誤りです。ハルシネーションはテキストでも起きます。

  10. 問10
    マルチモーダルなAIに関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1画像を見せて質問する、音声で会話するといった使い方ができるGPT-4oが代表例である
    2. 2多くの言語に対応していることや、同時に多数の利用者が使えることを指す言葉である
    3. 3モダリティとはテキスト、画像、音声、動画といった情報の種類のことである
    4. 4複数の種類の情報を入力または出力として扱えるAIをマルチモーダルと呼ぶ
    答えと解説

    正解: 2

    モダリティは情報の種類(テキスト、画像、音声、動画など)を指し、複数の種類を扱えるAIがマルチモーダルです。GPT-4oが代表例です。多言語対応や同時利用者数のことではないため、その記述は不適切です。

  11. 問11
    売上データのCSVファイルをChatGPTに渡して、月別の集計とグラフを作らせたい。この処理を担うChatGPTの機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1Sora。テキストの指示をもとに動画を生成するサービスで、集計には使わない
    2. 2Operator。Webブラウザを自ら操作して予約や購入を代行するエージェントである
    3. 3Code Interpreter。会話の中でPythonコードを生成・実行し、集計やグラフ作成を行う
    4. 4GPTs。指示文や参考資料を設定して、用途に特化したカスタムChatGPTを作って共有する
    答えと解説

    正解: 3

    Code Interpreter(データ分析)は、会話の中でPythonコードを生成し、隔離された環境で実際に実行して、集計・グラフ作成・ファイル変換などを行う機能です。GPTsはカスタムChatGPTを作る仕組み、Soraは動画生成、Operatorはブラウザ操作のエージェントで、CSVの集計とグラフ作成を担う機能ではありません。

  12. 問12
    GPTsの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1GPTシリーズの各モデルの総称で、GPT-3やGPT-4などのバージョンをまとめて指す言葉
    2. 2ChatGPTがコードを生成して実行し、データの集計やファイル変換を行う機能
    3. 3テキストの指示から画像を生成し、既存の画像を編集する機能
    4. 4指示文・参考資料・外部連携を設定して、用途に特化したカスタムChatGPTを作り、共有できる仕組み
    答えと解説

    正解: 4

    GPTsは、指示文・参考資料・外部連携を設定して用途特化のカスタムChatGPTを作り、共有できる仕組みで、2023年11月に登場しました。GPTシリーズのモデルの総称ではなく、コードの実行はCode Interpreter、画像の生成と編集はImage Generationの機能です。

  13. 問13
    OpenAIの周辺サービスと生成物・用途の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1Soraは動画生成、OperatorはWebブラウザ操作のエージェント、Codexはコーディングエージェント
    2. 2Soraはコーディングエージェント、Operatorは動画生成、CodexはWebブラウザ操作のエージェント
    3. 3SoraはWebブラウザ操作のエージェント、Operatorはコーディングエージェント、Codexは動画生成
    4. 4Soraは画像生成、Operatorは音声会話、Codexは翻訳専用のサービス
    答えと解説

    正解: 1

    Soraはテキストの指示から動画を生成するサービス、OperatorはWebブラウザを自ら操作して予約や購入などを代行するAIエージェント、Codexはコードの記述・修正・テストを自律的に進めるコーディングエージェントです。生成物・用途で区別して覚えます。

  14. 問14
    ChatGPTの回答に誤りが含まれる可能性を踏まえ、社内の利用ルールとして最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1有料プランでは誤りが起きない仕様になっているため、有料契約をすれば確認は不要と定める
    2. 2回答は下書きとして扱い、数値・固有名詞・条文などの事実は一次資料で確認してから使うことを定める
    3. 3誤りが含まれる可能性がある以上、業務でのChatGPTの利用を全面的に禁止する
    4. 42回続けて同じ回答が返ってきた場合に限り、確認なしで社外資料に使ってよいと定める
    答えと解説

    正解: 2

    ハルシネーションを前提に、回答を下書きとして扱い、正確さが要る事実は一次資料で確認する、というルールが適切です。全面禁止はリスク管理の方法として極端で、利用の価値を捨てることになります。同じ回答が2回出ることは正しさの保証にならず、有料プランでも誤りは起きるため、確認が不要になるわけではありません。

  15. 問15
    ChatGPTのImage Generation(画像生成)機能に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1テキストの指示から動画を生成し、既存の動画の続きも作れる機能
    2. 2テキストの指示から画像を生成し、既存の画像を編集することもできる機能
    3. 3Webブラウザを自ら操作して、予約や購入などの手続きを代行する機能
    4. 4コードの記述・修正・テストを行い、ソフトウェア開発の作業を進める機能
    答えと解説

    正解: 2

    Image Generationはテキストの指示から画像を生成し、既存の画像を編集できる機能で、2025年にGPT-4oベースになって文字を含む画像の精度が向上しました。動画の生成はSora、人物の氏名や住所の特定は機能として提供されておらず、画像の生成ができないという記述も誤りです。

  16. 問16
    OpenAIのOperatorに関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1Webブラウザを自ら操作して、予約や購入などのタスクを利用者の代わりに実行する
    2. 2利用者の指示をもとに、Webサイトを閲覧しフォームに入力するといった操作を行うAIエージェントである
    3. 32025年1月に発表された
    4. 4テキストの指示から動画を生成するサービスで、2024年に発表された
    答えと解説

    正解: 4

    OperatorはWebブラウザを自ら操作して予約や購入などのタスクを代行するAIエージェントで、2025年1月に発表されました。テキストの指示から動画を生成するのはSoraで、Operatorの記述としては不適切です。