脳の仕組みをまねる
人間の脳では、ニューロン(神経細胞)がシナプスという接続部を通じて信号をやり取りしています。ニューラルネットワークはこの構造にヒントを得た数理モデルで、ニューロンに相当するのが人工ニューロン(ノード)、シナプスの結合の強さに相当するのが重みです。
ただし、ニューラルネットワークは脳を物理的に複製したものではなく、意識を持つものでもありません。「脳をそのまま再現した」「人間と同じ意識を持つ」という断定は誤りです。
重みと情報の重みづけ
各ノードは複数の入力を受け取り、それぞれの入力に重みを掛けて足し合わせ、次のノードへ出力します。重みは「その入力をどれだけ重視するか」を表す数値で、情報の重みづけとも言います。重みは学習によって調整される値で、人間が固定的に設定するものではありません。
学習の仕組み
ニューラルネットワークの学習とは、出力と正解のずれ(誤差)を計算し、誤差が小さくなる方向へ重みを少しずつ更新する処理を、大量のデータで繰り返すことです。これによって人間がルールを書かなくても精度が上がっていきます。ノードの数を増やすことや、ルールを追加することは学習ではありません。
ディープラーニング
入力層と出力層の間にある中間層(隠れ層)を多数重ねたニューラルネットワークを使う手法がディープラーニング(深層学習)です。層を深くすることで、人間が「どこに注目するか」(特徴量)を設計しなくても、データから特徴を自動的に学習できます。2010年代の画像認識コンテストでの圧勝をきっかけに広まり、第三次AIブームと生成AIの基盤になりました。
画像認識の流れ
ディープラーニングが画像を認識するときは、入力された画素の情報を層ごとに処理し、浅い層では輪郭(エッジ)や色などの単純な特徴、深い層ではそれらを組み合わせた形や部品、さらに物体全体といった抽象度の高い特徴を段階的に抽出します。この階層的な特徴抽出が、従来の方法より高い精度を出せる理由です。
試験で問われる観点
- ニューロン↔ノード、シナプスの結合の強さ↔重み、という対応関係。
- 重みは学習で調整される。学習とは誤差が小さくなるよう重みを更新すること。
- ディープラーニングは中間層を多層にしたもの。特徴を自動で学習できる。
- 画像認識は「単純な特徴 → 複雑な特徴」を段階的に抽出する。