契約ガイドライン
経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(2018年、2019年改訂)は、AI開発の特性(事前に精度が分からない、データの質に依存する、成果物の権利関係が複雑)を踏まえ、契約の考え方を整理したものです。
4つのフェーズと契約
| フェーズ | 内容 | 契約 |
|---|---|---|
| アセスメント | 少量のデータでモデル生成の可否を検証 | 秘密保持契約(NDA) |
| PoC | 実際のデータで精度や効果を検証 | PoC契約(導入検証契約) |
| 開発 | 学習済みモデルの開発 | 開発契約 |
| 追加学習 | 運用中のデータで再学習 | 保守契約、追加学習契約 |
段階ごとに契約を結び、次に進むかを判断する探索的段階型の進め方が推奨されています。
請負と準委任
請負契約は成果物の完成を約束し、準委任契約は業務の遂行を約束します。AIは学習してみないと達成できる精度が分からず完成の定義が難しいため、準委任契約が適する場合が多いとされます。精度保証を安易に約束すると、未達の場合に契約違反となるリスクがあり、ガイドラインは精度保証に慎重な立場です。
権利の帰属
学習済みモデル、学習データ、学習用プログラム、ノウハウなどの権利は法律で自動的に決まらず、契約で帰属と利用条件を定めます。ベンダーが他の顧客向けに再利用できるか、委託元が第三者に提供できるかなどを明確にします。
試験で問われる観点
- 4フェーズの順序と各段階の契約
- 請負(完成)と準委任(遂行)の違い、AIで準委任が多い理由
- 精度保証の難しさ
- 権利帰属は契約で定める