著作物と著作権
著作物は「思想又は感情を創作的に表現したもの」で、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものです。創作性があれば芸術的な価値は問われず、著作権は創作と同時に発生し、登録などの手続きは不要です。単なるデータや事実、アイデアそのものは著作物ではありません。プログラムは著作物ですが、学習済みモデルのパラメータが著作物にあたるかは議論があります。
AI生成物の著作権
著作者は人(法人を含む)であり、AI自身は著作者になれません。AIが自律的に生成したものは「思想又は感情の創作的な表現」にあたらず著作物になりませんが、人がAIを道具として使い、創作的な寄与(詳細な指示、生成物の選択や修正など)をした場合はその人の著作物になりえます。プロンプトを入力しただけで常に著作物になるわけではありません。
学習データの利用:第30条の4
著作物に表現された思想や感情を自ら享受する目的でない利用(情報解析など)は、著作権者の利益を不当に害しない範囲で許諾なく行えます。Web上の画像を収集して画像認識モデルを学習させるのは典型的な情報解析です。一方、特定の作家の作品だけを学習させてその表現を出力させる目的や、学習に名を借りて著作物をそのまま公開する行為は対象外です。
生成物による侵害
AI生成物が既存の著作物と類似し(類似性)、それに基づいて作られた(依拠性)と認められれば著作権侵害になります。学習データに含まれていた著作物と似た出力が生成される場合、依拠性が認められる可能性があります。生成物を利用する側は、既存の著作物と似ていないかの確認が必要です。
利用規約とライセンス
生成AIサービスの利用規約には、生成物の権利の帰属、商用利用の可否、入力データの学習利用の有無などが定められています。オープンソースのモデルやデータセットもライセンス(商用利用・再配布・改変の条件)に従う必要があります。
試験で問われる観点
- 著作物の要件、著作権は創作時に発生
- AI生成物は人の創作的寄与があれば著作物になりうる
- 第30条の4の「享受目的でない」と「不当に害しない」
- 侵害の判断は類似性と依拠性