DQNと改良
DQN(Deep Q-Network、2013〜2015年、DeepMind)は行動価値関数Qをディープニューラルネットワークで近似し、画面のピクセルからAtariのゲームを人間並みにプレイしました。過去の経験をためてランダムに取り出して学習する経験再生と、目標値の計算に使うネットワークを一定期間固定するターゲットネットワークで学習を安定させています。
| 改良 | 内容 |
|---|---|
| ダブルDQN | 行動の選択と評価を別のネットワークで行い、Q値の過大評価を抑える |
| デュエリングネットワーク | 状態価値と行動の優位性を分けて推定 |
| ノイジーネットワーク | 重みにノイズを加えて探索を促す |
| Rainbow | これらの改良を統合 |
分散・並列と最新手法
A3Cは複数のエージェントが非同期に環境と相互作用して学習を並列化するActor-Critic手法、APE-Xは経験再生を分散化した手法、Agent57はAtariの57ゲームすべてで人間を上回りました。PPOは方策の更新幅を制限して学習を安定させた方策勾配法で、Dota 2で人間のトップチームに勝ったOpenAI Five、StarCraft IIのAlphaStar、LLMのRLHFで使われています。
RLHF(人間のフィードバックによる強化学習)は、言語モデルの出力に人間が付けた好ましさの順位から報酬モデルを学習し、それを最大化するよう言語モデルを強化学習で調整する手法です。
実世界への応用
- sim2real: シミュレーションで学習した方策を実機に転移する
- ドメインランダマイゼーション: シミュレーションの見た目や物理パラメータをランダムに変えて学習し、実環境との差に頑健にする
- オフライン強化学習: 環境と相互作用せず、蓄積済みのデータだけから学習
- 報酬成形: 学習を促すために中間的な報酬を設計する
- 連続値制御: ロボットの関節角度のように連続的な行動を扱う
- 残差強化学習: 既存の制御器の出力に強化学習で補正を加える
- 状態表現学習: 高次元の観測から学習に有用な低次元の状態表現を獲得
- マルチエージェント強化学習(MARL): 複数のエージェントが協調・競争する
試験で問われる観点
- DQNの経験再生とターゲットネットワーク
- ダブルDQN、デュエリング、Rainbowの内容
- PPOの特徴と用途、RLHFの手順
- sim2realとドメインランダマイゼーション、オフライン強化学習