問題と事例
AIが特定の性別、人種、年齢などの属性に対して不利な判断をする問題です。採用AIが過去の採用データの偏りを学習して女性を低く評価した事例、再犯予測システムが特定の人種に高いリスクを付けた事例、顔認識の精度が肌の色によって異なった事例が知られています。
バイアスの原因
- データの偏り、サンプリングバイアス: 学習データが社会の偏りや過去の差別的な判断を反映している、特定の属性のデータが少ない
- 代理変数: 郵便番号、出身校、氏名のようにセンシティブ属性と強く相関する変数が入力に含まれ、属性を除外しても間接的に同じ偏りを学習する
- 設計者の思い込みや評価指標の選び方
センシティブ属性(性別、人種、宗教など)を入力から除外するだけでは公平性は達成されません。
公平性の定義
公平性には、属性ごとに肯定的な判断の割合をそろえる、属性ごとに誤り率をそろえる、同じ能力の人は同じ扱いを受けるなど複数の定義があり、互いに両立しないこともあります。どの定義を採用するかを関係者と合意することが対処の前提です。
対処する技術
| 段階 | 手法 |
|---|---|
| 前処理 | データの再サンプリングや重み付けで偏りを是正 |
| 学習中 | 公平性の指標を制約や罰則として目的関数に組み込む |
| 後処理 | 出力後に属性ごとの判定閾値を調整 |
属性ごとの結果を比較する評価と、代理変数の影響の検証も重要です。
試験で問われる観点
- 代表的な事例と原因
- 代理変数の意味、属性の除外だけでは不十分
- 公平性の定義は複数あり両立しない場合がある
- 前処理・学習中・後処理の対処