なぜ不得意なことがあるのか
言語モデルは「次の単語の確率」で文章を作っています。意味を理解して計算したり、文字を数えたりしているわけではありません。この仕組みに由来する弱点を知っておくと、どこを人間が確認すべきかが分かります。
4つの不得意なこと
| 不得意なこと | 理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 正確な文字数の指定 | 単語(トークン)単位で生成しており、文字数を厳密に守れない | 出力後に人間が数えて調整する |
| 計算 | 桁数の多い計算や複雑な計算を確率的に「それらしく」出力してしまう | コード実行機能(データ分析機能)や表計算ソフトで検算する |
| 最新の情報 | 学習データの締切時点より後の出来事や数値を知らない。知らないことをもっともらしく答える(ハルシネーション) | Web 検索機能や RAG で外部情報を参照させる。公式サイトなど一次情報で確認する |
| 芸術の批評 | 主観的な価値判断が求められ、一般的な意見の要約にはなっても本質的な批評にはなりにくい | 参考意見として扱い、評価そのものは人間が行う |
具体例
- 「売上データの合計と平均を計算し、ちょうど100字で報告文を書いて」と依頼した場合、合計・平均は表計算ソフトで検算し、文字数は実際に数えて確認します。「AI の計算は常に正確」「ちょうど100字の指示があれば必ず100字になる」という前提は誤りです。
- 「今週の為替レートと昨日発表された新製品の仕様」のような最新情報は、モデル自体は知りません。検索機能や RAG で参照させるか、一次情報で確認します。「AI は常に最新の情報を持っている」「AI が分からないと答えることはないので出力は必ず正しい」という認識は誤りです。
得意なことと対比する
要約、箇条書きへの変換、メールの下書き、翻訳、キャッチコピーの案出し、文章の校正、会話形式への変換、テンプレートの作成は得意分野です。不得意なことと混同しないように整理しておきます。
試験で問われる観点
- 不得意なこと4つの組み合わせ(文字数、計算、最新情報、芸術批評)。
- それぞれの対処法(人間の確認、ツールの併用、検索・RAG)。
- 「人間と同じ感性と最新知識を持っているので確認不要」は誤り。



