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個人情報保護法:個人情報の定義、要配慮個人情報、匿名加工情報と生成AIでの取り扱い

第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則 / 節 4

シラバスのキーワード: 個人情報保護法改正個人情報保護法個人情報保護委員会個人情報取扱事業者個人識別符号要配慮個人情報機微(センシティブ)情報匿名加工情報マスキング生成AI活用における個人情報の取り扱い

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個人情報とは

個人情報保護法の個人情報は、生存する個人に関する情報のうち、氏名・生年月日などで特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)と、個人識別符号を含むものです。氏名がなくても、社員番号や顔画像から個人を識別できれば個人情報です。故人の情報は原則として対象外です。

個人識別符号は次の2種類で、それ単体で個人情報になります。

要配慮個人情報と機微情報

要配慮個人情報は、不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう特に配慮を要する情報で、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実、心身の障害、健康診断の結果などが法令で定められています。取得には原則として本人の同意が必要で、オプトアウトによる第三者提供はできません。

機微(センシティブ)情報は、金融分野などのガイドラインで使われる概念で、要配慮個人情報に加えて労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療、性生活に関する情報も含む、より広い範囲を指します。両者は同一の用語ではありません。

匿名加工情報とマスキング

匿名加工情報は、法令の基準に従って特定の個人を識別できないように加工し、復元もできないようにした情報です。作成した事業者は含まれる項目を公表する義務があり、識別行為は禁止されますが、本人の同意なく第三者提供や活用ができます。氏名を伏せただけで復元可能なものは要件を満たしません。

マスキングは、氏名の一部を「*」にする、カード番号の下4桁以外を伏せるなど、データの一部を隠す処理です。生成AIに文書を入力する前の実務的な対策ですが、マスキングだけで匿名加工情報の法的要件を満たすとは限りません。

事業者の義務と監督機関

個人情報取扱事業者(個人情報をデータベース化して事業に使うすべての事業者。かつての「5,000人以下は対象外」という規定は2017年施行の改正で撤廃)には、次の義務があります。

個人情報保護委員会は、個人情報保護法を所管する独立性の高い国の機関で、事業者の監督や指導、ガイドラインの策定を行います。法律はおおむね3年ごとに見直され、本人の権利拡充や漏えい対応など、規制は強化される方向にあります。

生成AIへの入力

個人情報保護委員会は2023年、生成AIサービスの利用について、本人の同意なく要配慮個人情報を入力しないこと、利用目的の範囲内で扱うこと、入力データが学習に使われる場合の注意などを呼びかけました。実務では次の点を守ります。

試験で問われる観点

この節の練習問題(24問)

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  1. 問1
    個人情報保護法における「個人情報」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1生存する個人に関する情報で、氏名や生年月日などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)
    2. 2企業や団体に関する情報も含め、法人名や所在地などにより特定の組織を識別できるもの(他の情報と照合して識別できるものを含む)
    3. 3故人を含む個人に関する情報で、企業が業務上保有する顧客データや取引記録などのあらゆる情報が該当する
    4. 4生存する個人に関する情報のうち、氏名が直接含まれているものに限られ、他の情報と照合して初めて識別できるものは含まれない
    答えと解説

    正解: 1

    個人情報保護法の「個人情報」は、生存する個人に関する情報のうち、氏名・生年月日などで特定の個人を識別できるもの、他の情報と容易に照合して識別できるもの、および個人識別符号を含むものです。企業のデータすべてが該当するわけではなく、故人の情報は原則として対象外です。氏名がなくても社員番号や顔画像などから個人を識別できれば個人情報になります。

  2. 問2
    個人情報保護法の「個人識別符号」に該当するものの組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。
    1. 1氏名と生年月日の組み合わせ、勤務先の名称、携帯電話の番号、メールアドレス
    2. 2指紋や顔の特徴をデータ化した符号、マイナンバー、パスポート番号、運転免許証番号
    3. 3クレジットカード番号、銀行口座番号、会員番号、社員番号、学籍番号
    4. 4指紋や顔の特徴をデータ化した符号、購買履歴、位置情報、Webサイトの閲覧履歴
    答えと解説

    正解: 2

    個人識別符号は、(1)指紋・顔・DNAなど身体の特徴をコンピュータ用に変換した符号と、(2)マイナンバー、パスポート番号、運転免許証番号、基礎年金番号など個人に割り当てられた番号の2種類で、それ単体で個人情報に該当します。氏名や生年月日、電話番号、メールアドレスは個人情報にはなりえますが個人識別符号ではありません。クレジットカード番号や社員番号、購買履歴や位置情報も個人識別符号には含まれません。

  3. 問3
    個人情報保護法の「要配慮個人情報」に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1国籍、本籍地、学歴、職歴、年収、家族構成、勤務先の部署名など
    2. 2購入した商品の履歴、閲覧したWebサイト、位置情報、クレジットカード番号など
    3. 3人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実など
    4. 4氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先の会社名など
    答えと解説

    正解: 3

    要配慮個人情報は、不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう特に配慮を要する情報で、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実、心身の障害、健康診断の結果などが法令で定められています。取得には原則として本人の同意が必要で、オプトアウトによる第三者提供もできません。氏名・電話番号、勤務先、購入履歴は個人情報ではあっても要配慮個人情報ではありません。

  4. 問4
    要配慮個人情報の取り扱いに関するルールとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1通常の個人情報と同じ扱いでよく、特別なルールはない
    2. 2本人の同意がなくても、事業者が必要と判断すれば自由に取得できる
    3. 3要配慮個人情報は法律上、企業は一切取り扱ってはならない
    4. 4取得には原則として本人の同意が必要である
    答えと解説

    正解: 4

    要配慮個人情報は、法令に基づく場合などの例外を除き、取得に本人の事前同意が必要です。また、本人の同意なく第三者に提供するオプトアウト方式は認められていません。通常の個人情報より厳格な扱いが求められる一方、同意を得るなど適法な手続きを踏めば取り扱い自体は可能で、一切禁止されているわけではありません。

  5. 問5
    「機微(センシティブ)情報」と「要配慮個人情報」の関係の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1機微情報は金融分野などのガイドラインで用いられる概念で、要配慮個人情報に加えて労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療、性生活なども含む、より広い範囲を指す
    2. 2機微情報は個人情報保護法で定義された法律上の用語で、人種、信条、病歴、犯罪歴などを指し、要配慮個人情報は金融分野のガイドラインでそれを言い換えた同じ範囲の概念である
    3. 3機微情報は企業の財務情報や取引条件など事業者の秘密を指す概念で、個人の人種や病歴を対象とする要配慮個人情報とは対象が異なり、個人情報保護法の規制は及ばない
    4. 4要配慮個人情報は金融分野などのガイドラインで用いられる概念で、機微情報に加えて労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療、性生活なども含む、より広い範囲を指す
    答えと解説

    正解: 1

    要配慮個人情報は個人情報保護法で定義された用語です。一方、機微(センシティブ)情報は金融分野の個人情報保護ガイドラインなどで使われる概念で、要配慮個人情報に加え、労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療、性生活に関する情報も含み、取得・利用・第三者提供が原則として禁止されるなど、より厳しい扱いが求められます。両者は同一ではなく、企業の財務情報でも、病歴だけを指すものでもありません。

  6. 問6
    個人情報保護法の「匿名加工情報」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した情報で、主に事業者内部での分析に用い、原則として本人の同意なく第三者に提供することはできない
    2. 2特定の個人を識別できないように個人情報を加工し、かつ元の個人情報を復元できないようにした情報で、一定のルールのもと本人の同意なく第三者に提供できる
    3. 3氏名や住所などの直接的な識別子を削除した情報で、元のデータと照合すれば復元できるため、第三者に提供する際は本人の同意を個別に得る必要がある
    4. 4本人の同意を得たうえで取得した個人情報のうち、利用目的を公表しているものを指し、公表した目的の範囲内であれば加工せずに第三者に提供できる
    答えと解説

    正解: 2

    匿名加工情報は、法令で定める基準に従って特定の個人を識別できないように加工し、復元もできないようにした情報です。作成した事業者は含まれる情報の項目を公表する義務があり、元の個人を識別する行為は禁止されますが、本人の同意なく第三者提供や活用ができます。単に氏名を伏せただけで復元可能なものは匿名加工情報の要件を満たしません。同意を得た個人情報や匿名の投稿とも別の概念です。

  7. 問7
    個人情報の「マスキング」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1顔写真の目の部分にマスクやモザイクを合成して、写っている人物を隠す画像加工
    2. 2個人情報を印刷した紙を施錠された保管庫に入れ、閲覧できる人を限定する管理方法
    3. 3氏名や番号の一部を伏せ字や別の文字に置き換えて、個人を特定しにくくする処理
    4. 4個人情報を鍵を使って暗号化し、通信経路上で第三者に読まれないようにする技術
    答えと解説

    正解: 3

    マスキングは、氏名の一部を「*」に置き換える、クレジットカード番号の下4桁以外を伏せるなど、データの一部を隠して個人を特定しにくくする処理です。生成AIに文書を入力する前に個人情報をマスキングするのは実務的な対策の一つです。ただしマスキングだけでは匿名加工情報の法的要件を満たすとは限りません。暗号化通信、画像加工、紙での保管はマスキングではありません。

  8. 問8
    個人情報保護委員会の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1各企業が個人情報の取扱いを監査するために社内に設置する委員会で、法律により従業員100人以上の事業者に設置が義務付けられている
    2. 2インターネット上の個人情報の削除要請を審理する行政機関で、事業者間の個人データの売買契約を登録・仲介する業務も担っている
    3. 3個人情報保護法の運用を所管する総務省の内部部局で、事業者からの届出を受理するほか、違反した個人に対して罰金を直接科している
    4. 4個人情報保護法の運用を所管する独立性の高い国の機関で、事業者への指導・監督や、生成AIの利用に関する注意喚起なども行っている
    答えと解説

    正解: 4

    個人情報保護委員会は、個人情報保護法を所管する内閣府の外局で、独立した立場から事業者への監督や指導、ガイドラインの策定を行います。2023年には生成AIサービスの利用に関して、本人の同意なく要配慮個人情報を入力しないことなどの注意喚起を公表しました。社内委員会、民間の仲介団体、裁判所ではありません。

  9. 問9
    人事担当者が、社員の健康診断結果を含む資料を生成AIに入力して要約しようとしている。個人情報保護法の観点で最も適切な判断を1つ選びなさい。
    1. 1健康診断結果は要配慮個人情報にあたるため、本人の同意や利用目的の範囲、入力先サービスでのデータの扱いを確認せずに入力してはならない
    2. 2健康診断結果は要配慮個人情報にあたるが、人事部門は社員の健康管理を担う立場にあるため、本人の同意や利用目的を確認せずに入力してよい
    3. 3要約は個人を特定する目的の処理ではないため個人情報保護法の対象外であり、氏名を残したまま入力しても本人の同意や入力先の規約を確認する必要はない
    4. 4AIは人間ではないため、AIに入力することは第三者提供に当たらず、入力先サービスが学習に利用する設定であっても社内資料であれば制約は生じない
    答えと解説

    正解: 1

    健康診断の結果は要配慮個人情報に該当し、取得や利用には本人の同意や利用目的の制限が厳格に適用されます。生成AIへの入力は、サービス提供者へのデータ提供や学習利用につながる可能性があり、個人情報保護委員会も本人の同意なく要配慮個人情報を入力しないよう注意喚起しています。社内資料だから自由、目的が要約だから適用外、AIだから制約なし、という考えはいずれも誤りです。

  10. 問10
    顧客からの問い合わせメールを生成AIで分類・要約したい。個人情報の取り扱いとして最も適切な運用を1つ選びなさい。
    1. 1AIに入力した時点で氏名や連絡先は統計データに変換されて個人情報ではなくなるため、入力前のマスキングや学習利用の設定確認は必要ない
    2. 2氏名・連絡先などをマスキングしてから入力し、入力データが学習に使われない設定やサービスを選び、利用目的を社内で明確にする
    3. 3分類・要約の精度を優先して顧客のメールをそのまま入力し、設定が簡単な個人アカウントの無料サービスを使い、利用目的は担当者ごとに判断する
    4. 4氏名・連絡先を含めたまま入力しても、利用規約で学習利用を認めているサービスであれば、利用目的を社内で共有しなくても問題ない
    答えと解説

    正解: 2

    問い合わせメールには氏名や連絡先などの個人情報が含まれるため、不要な個人情報をマスキングし、入力データが学習に利用されない設定や法人向けサービスを選び、利用目的を明確にすることが求められます。個人アカウントの無料サービスにそのまま入力すると、漏えいや学習利用のリスクがあります。社内利用でも個人情報保護法の義務は変わらず、AIに入力しても個人情報でなくなることはありません。

  11. 問11
    個人情報保護法の改正の傾向に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1改正のたびに事業者の負担軽減が図られ、漏えい時の報告義務は廃止され、取り扱う個人情報が5,000件以下の事業者は現在も適用対象外となっている
    2. 2改正は主に行政機関と独立行政法人の取り扱いを対象として行われ、民間事業者に関する規定は制定当初から実質的に変更されていない
    3. 3社会の変化に合わせて定期的に見直され、漏えい時の報告・本人通知の義務化や、本人の権利の拡充、越境データへの対応などが強化されてきた
    4. 4制定時に3年ごとの見直し規定が設けられたが、実際の改正は2015年の一度きりで、漏えい時の報告義務や越境データへの対応は現在も法定されていない
    答えと解説

    正解: 3

    個人情報保護法は、おおむね3年ごとの見直し規定のもとで改正が重ねられており、2020年改正(2022年施行)では漏えい時の個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化され、本人の利用停止請求権が拡充されるなど、規制は強化される方向にあります。改正されていない、緩和され続けている、民間に適用されないという説明はいずれも誤りです。

  12. 問12
    個人情報取扱事業者の義務に関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1個人情報を取得する際は利用目的を特定し、本人に通知または公表する
    2. 2取得した個人情報は、特定した利用目的の範囲内で取り扱う
    3. 3漏えいや滅失を防ぐための安全管理措置を講じる
    4. 4従業員が5,000人以下の企業は個人情報保護法の対象外である
    答えと解説

    正解: 4

    かつては取り扱う個人情報が5,000人分以下の事業者を適用除外とする規定がありましたが、2015年改正(2017年施行)で撤廃され、現在は個人情報をデータベース化して事業に使うすべての事業者が個人情報取扱事業者として法の対象です。「従業員5,000人以下は対象外」という記述は誤りです。利用目的の特定と通知・公表、目的内での取り扱い、安全管理措置は、いずれも事業者の基本的な義務です。

  13. 問13
    氏名を削除した顧客データに「運転免許証番号」が残っている。このデータの扱いとして最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1番号だけでは誰のものか分からないため、法律上の匿名加工情報として扱って構わない
    2. 2運転免許証番号は公的機関が発行した番号なので、個人情報保護法の保護の対象外である
    3. 3運転免許証番号は個人識別符号で、それ単体で個人情報に当たるため、個人情報として扱う
    4. 4氏名を削除してあるので個人情報には当たらず、同意なく自由に第三者へ提供してよい
    答えと解説

    正解: 3

    運転免許証番号は、マイナンバーやパスポート番号と同じく個人に割り当てられた番号で、個人識別符号に当たります。個人識別符号はそれ単体で個人情報になるため、氏名を削除しても個人情報として扱う必要があります。匿名加工情報は法令の基準に従って識別も復元もできないように加工したもので、番号が残っている状態は該当しません。

  14. 問14
    人事担当者が、社員の健康診断の結果を生成AIに入力して傾向を分析しようとしている。最も適切な判断を1つ選びなさい。
    1. 1社内の業務のための利用なので、本人の同意がなくても自由に入力して傾向を分析してよい
    2. 2氏名を伏せれば要配慮個人情報ではなくなるため、伏せたうえでそのまま入力して構わない
    3. 3AIに入力した時点で個人情報ではなくなるため、法律上の制約を考える必要はまったくない
    4. 4要配慮個人情報であり、本人の同意や利用目的、入力先のデータの扱いを確認せずに入力してはならない
    答えと解説

    正解: 4

    健康診断の結果は要配慮個人情報で、取得には原則として本人の同意が必要であり、利用目的の範囲内で扱わなければなりません。個人情報保護委員会も、本人の同意なく要配慮個人情報を生成AIに入力しないよう注意喚起しています。「社内利用だから自由」「AIに入力すれば個人情報でなくなる」という考えは誤りで、氏名を伏せても他の情報と照合して個人を識別できれば個人情報です。

  15. 問15
    要配慮個人情報と機微(センシティブ)情報の関係の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1要配慮個人情報は法令で定められた情報、機微情報はガイドラインで使われるより広い概念で、同一の用語ではない
    2. 2要配慮個人情報と機微情報はまったく同じ範囲を指す用語で、法律と実務の現場で呼び方が違うだけである
    3. 3要配慮個人情報は各企業が任意に定める社内の区分で、機微情報は個人情報保護法で定められた区分である
    4. 4要配慮個人情報は氏名や住所のような基本情報を指し、機微情報は電話番号やメールアドレスを指す
    答えと解説

    正解: 1

    要配慮個人情報は、人種、信条、病歴、犯罪の経歴などが個人情報保護法で定められた情報です。機微(センシティブ)情報は金融分野などのガイドラインで使われる概念で、要配慮個人情報に加えて労働組合への加盟、本籍地、保健医療、性生活なども含むより広い範囲を指します。同一の用語ではなく、企業が任意に定めるものでも、氏名や連絡先を指すものでもありません。

  16. 問16
    匿名加工情報に関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1本人の同意がなくても第三者提供や活用ができる
    2. 2氏名の一部を伏せただけで復元できる状態でも、匿名加工情報の要件を満たす
    3. 3法令の基準に従って特定の個人を識別できないように加工し、復元もできないようにした情報である
    4. 4作成した事業者は、含まれる項目を公表する義務があり、識別行為は禁止される
    答えと解説

    正解: 2

    匿名加工情報は、法令の基準に従って個人を識別できず、復元もできないように加工した情報で、項目の公表義務と識別行為の禁止を守れば本人の同意なく第三者提供や活用ができます。氏名の一部を伏せただけで復元可能なものは要件を満たさないため、その記述は不適切です。

  17. 問17
    マスキングと匿名加工情報の関係の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1マスキングは匿名加工情報を指す正式な法律用語で、両者はまったく同じ意味で使われている
    2. 2マスキングは個人情報保護委員会への届出が必要な処理で、届出が受理されれば匿名加工情報になる
    3. 3マスキングはデータの一部を隠す実務的な処理で、それだけで匿名加工情報の法的要件を満たすとは限らない
    4. 4マスキングを行えば必ず匿名加工情報の法的要件を満たすため、本人の同意なく第三者に提供できる
    答えと解説

    正解: 3

    マスキングは、氏名の一部を「*」にする、カード番号の下4桁以外を伏せるなど、データの一部を隠す処理です。生成AIに文書を入力する前の実務的な対策として有効ですが、匿名加工情報は法令の基準に従って識別も復元もできないように加工したものなので、マスキングだけで法的要件を満たすとは限りません。両者は同じ用語ではなく、届出で匿名加工情報になる仕組みもありません。

  18. 問18
    個人情報取扱事業者が負う義務について、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1利用目的を特定し、あらかじめ本人に通知するか公表しなければならない
    2. 2特定した利用目的の範囲内でのみ個人情報を取り扱わなければならない
    3. 3漏えいや滅失を防ぐために必要な安全管理措置を講じなければならない
    4. 4取り扱う個人情報が5,000人分以下の事業者は、法律上の義務を負わない
    答えと解説

    正解: 4

    個人情報取扱事業者は、利用目的の特定と通知・公表、目的の範囲内での取り扱い、安全管理措置、漏えい時の報告と通知などの義務を負います。かつてあった「5,000人以下は対象外」という規定は2017年施行の改正で撤廃されており、現在は個人情報をデータベース化して事業に使うすべての事業者が対象です。

  19. 問19
    顧客1,000人分の氏名とメールアドレスが入ったファイルを、誤って社外に送信したことが分かった。法律上の対応として最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1個人情報保護委員会への報告と本人への通知を行う。2022年施行の改正で義務化されている
    2. 2社内で再発防止策を決めれば十分で、外部の機関への報告や本人への通知の義務はない
    3. 3メールアドレスは法律上の個人情報に当たらないため、報告も通知も何もする必要はない
    4. 4漏えいの報告先は警察であり、個人情報保護委員会は漏えいの事案には関与しない
    答えと解説

    正解: 1

    個人情報の漏えいが起きた場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が2022年施行の改正で義務化されました。氏名と結びついたメールアドレスは個人情報です。社内の再発防止だけでは義務を果たしたことになりません。個人情報保護委員会は個人情報保護法を所管する国の機関で、報告先として関与します。

  20. 問20
    個人情報保護委員会はどのような機関か。最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1裁判所の一部門で、個人情報の漏えいに関する損害賠償の金額を審理して決定する
    2. 2個人情報保護法を所管する独立性の高い国の機関で、事業者の監督や指導、指針の策定を行う
    3. 3各企業の中に設置が義務づけられた社内の委員会で、社員の個人情報の取り扱いを審査する
    4. 4民間の業界団体で、加盟する企業に対して個人情報の適切な管理を示す認証マークを発行する
    答えと解説

    正解: 2

    個人情報保護委員会は、個人情報保護法を所管する独立性の高い国の機関で、事業者の監督や指導、ガイドラインの策定を行います。2023年には生成AIサービスの利用に関する注意喚起も行いました。社内委員会、民間の業界団体、裁判所の部門ではありません。

  21. 問21
    顧客からの問い合わせメールを生成AIで分類・下書き作成したい。個人情報の扱いとして最も適切な運用を1つ選びなさい。
    1. 1AIは第三者に当たらないため、個人情報の第三者提供の制約は一切考えなくてよい運用にする
    2. 2個人情報を入力した後で本人に事後報告すれば、同意や利用目的の確認は不要な運用にする
    3. 3不要な個人情報をマスキングし、学習に使われない設定や法人向けサービスを選び、利用目的を明確にする
    4. 4顧客対応という正当な目的があるので、問い合わせメールをそのまま無料サービスに入力して構わない
    答えと解説

    正解: 3

    問い合わせメールを生成AIで処理する場合は、不要な個人情報をマスキングし、入力データが学習に使われない設定や法人向けサービスを選び、利用目的を明確にして範囲内で扱います。正当な目的があっても無料サービスにそのまま入力するのは管理義務上の問題があり、「AIは第三者ではないから制約がない」という考えや、事後報告で済ませる運用は誤りです。

  22. 問22
    個人情報保護法の「個人情報」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1氏名・住所・電話番号の3つがすべてそろった情報だけを指し、どれか1つでも欠けていれば個人情報には当たらない
    2. 2生存・死亡を問わず、人に関するすべての情報を指し、企業名や団体名のような法人に関する情報もすべて含まれる
    3. 3本人が自ら公開している情報は個人情報に当たらず、SNSで公開された氏名や顔写真は誰でも自由に利用できる
    4. 4生存する個人の情報で、氏名などで特定の個人を識別できるもの(容易に照合できるものを含む)や、個人識別符号を含むもの
    答えと解説

    正解: 4

    個人情報は、生存する個人に関する情報のうち、氏名・生年月日などで特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)と、個人識別符号を含むものです。氏名がなくても社員番号や顔画像から識別できれば個人情報で、3項目がそろう必要はありません。故人の情報は原則対象外で、企業名は個人情報ではありません。本人が公開していても個人情報であることに変わりはありません。

  23. 問23
    要配慮個人情報に関する記述として、不適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1オプトアウト方式で本人の同意なく第三者に提供することができる
    2. 2人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、心身の障害などが法令で定められている
    3. 3取得には原則として本人の同意が必要である
    4. 4不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう特に配慮を要する情報である
    答えと解説

    正解: 1

    要配慮個人情報は、人種、信条、病歴、犯罪の経歴などが法令で定められ、取得には原則として本人の同意が必要です。オプトアウト(本人が拒否しない限り提供する方式)による第三者提供は認められていないため、その記述は不適切です。

  24. 問24
    店舗の防犯カメラの顔画像データについて、「氏名が付いていないので個人情報ではない」と説明された。この説明の評価として最も適切なものを1つ選びなさい。
    1. 1誤りである。ただし、画像を白黒にすれば個人情報ではなくなる
    2. 2誤りである。顔画像は本人を識別できる情報であり、氏名がなくても個人情報に当たる
    3. 3正しい。氏名が結びついていない画像は、個人情報保護法の対象にならない
    4. 4正しい。防犯目的で取得した情報は、個人情報保護法の適用を受けない
    答えと解説

    正解: 2

    顔画像は特定の個人を識別できる情報であり、氏名が付いていなくても個人情報に当たります。顔の特徴をコンピュータ用に変換した符号は個人識別符号にも該当します。防犯目的であっても法律の適用は受け、白黒にしても本人を識別できれば個人情報のままです。