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AIに必要な数理・統計知識(代表値、分散、確率分布、相関、推定と検定、距離)

第8章 AIに必要な数理・統計知識 / 節 1

シラバスのキーワード: 平均中央値最頻値外れ値分散標準偏差度数分布移動平均確率変数確率分布確率密度期待値ベルヌーイ分布二項分布正規分布ポアソン分布条件付き確率共分散相関係数偏相関係数疑似相関最小二乗法最尤法帰無仮説対立仮説ユークリッド距離マハラノビス距離コサイン類似度相互情報量

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代表値とばらつき

データ「2、4、6、8」なら平均5、分散は (9+1+1+9)/4 = 5、標準偏差は√5です。度数分布表は階級ごとの個数をまとめた表で、ヒストグラムで可視化します。移動平均は一定の窓幅の平均をずらしながら計算し、時系列のノイズをならす手法です。

確率と分布

確率変数は値が確率的に決まる変数、確率分布は各値の確率の対応です。連続的な変数では確率密度関数を区間で積分すると確率になります。期待値は各値に確率を掛けた合計で、サイコロの目の期待値は3.5です。

分布 内容
ベルヌーイ分布 1回の試行が成功か失敗か(コイン1回)
二項分布 n回の独立な試行での成功回数。コイン3回で表2回の確率は 3 × (1/2)^3 = 3/8
正規分布 平均を中心とした左右対称の釣鐘型。平均±1σに約68%、±2σに約95%、±3σに約99.7%
ポアソン分布 一定時間に起こる稀な事象の回数(1時間あたりの問い合わせ件数)

条件付き確率 P(A|B) は事象Bが起きたという条件のもとでAが起きる確率で、P(A∩B)/P(B) で定義されます。ベイズの定理の基礎です。

相関

共分散は2変数が同じ方向に変動する傾向(正なら一方が増えると他方も増える)を表し、単位に依存します。相関係数は共分散を両方の標準偏差の積で割って−1〜1に正規化した値です。相関係数が0でも非線形の関係はありえます。

第3の変数(気温)が両方に影響して見かけ上の相関が生じることを疑似相関といい、その変数の影響を除いた相関を偏相関係数で確認します。相関は因果を意味しません。

推定と検定

最小二乗法は予測と実測の差の二乗和を最小にするパラメータを求める方法、最尤法は観測データが得られる確率(尤度)を最大にするパラメータを求める方法です。統計的仮説検定では、「効果はない」のように否定されることを期待して立てる帰無仮説と、それに対立する対立仮説を設定し、データが帰無仮説のもとで起こりにくければ帰無仮説を棄却します。

距離と類似度、情報量

微分と勾配

誤差関数をパラメータで微分した値(勾配)は、パラメータを動かしたときに誤差がどの方向にどれだけ変化するかを示します。勾配降下法は勾配と逆の方向にパラメータを更新して誤差を減らします。

試験で問われる観点

この節の練習問題(26問)

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  1. 問1
    社員10人の年収データに、1人だけ極端に高額な人が含まれている。この集団の「典型的な年収」を表す代表値として、外れ値の影響を受けにくいものを選びなさい。
    1. 1中央値
    2. 2平均
    3. 3分散
    4. 4標準偏差
    答えと解説

    正解: 1

    平均は全データの合計を個数で割るため、極端に大きい値(外れ値)に引っ張られます。中央値はデータを並べたときの真ん中の値で、外れ値の影響を受けにくく、年収や住宅価格のように分布が偏るデータの代表値に適しています。最頻値は最も多く出現する値です。分散と標準偏差は散らばりの指標で、代表値ではありません。

  2. 問2
    分散と標準偏差の関係の説明として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 1分散はデータの中央に位置する値で、標準偏差はデータの平均を表す別名である。どちらも元のデータの中心の位置を表す指標である
    2. 2分散は各データと平均との差の二乗の平均で、標準偏差はその平方根である。標準偏差は元のデータと同じ単位で散らばりを表せる
    3. 3標準偏差は各データと平均との差の二乗の平均で、分散はその平方根である。分散は元のデータと同じ単位で散らばりを表せる
    4. 4分散は各データと平均との差の絶対値の平均で、標準偏差はそれを二乗した値である。標準偏差は元のデータの二乗の単位で散らばりを表す
    答えと解説

    正解: 2

    分散は偏差(データと平均の差)を二乗して平均したもので、単位が元のデータの二乗になります。標準偏差は分散の正の平方根で、元のデータと同じ単位になるため解釈しやすく、正規分布では平均±1標準偏差に約68%のデータが含まれます。期待値は確率変数の平均にあたる概念です。

  3. 問3
    「アイスクリームの売上」と「水難事故の件数」に正の相関があるが、実際には両方が「気温」によって増えているだけで直接の因果関係はない。このように第三の変数の影響で見かけ上の相関が生じる現象を何というか。最も適切なものを選びなさい。
    1. 1偏相関
    2. 2移動平均
    3. 3疑似相関
    4. 4共分散
    答えと解説

    正解: 3

    疑似相関(見せかけの相関)は、交絡因子と呼ばれる第三の変数が両方に影響することで相関係数が高く出る現象です。相関があっても因果があるとは限らないという教訓の典型例です。第三の変数の影響を取り除いた相関を測るのが偏相関係数で、疑似相関かどうかの確認に使えます。共分散は2変数が同時に変動する度合い、相関係数はそれを-1〜1に標準化したもの、移動平均は時系列を平滑化する手法です。

  4. 問4
    確率分布とその説明の組み合わせとして正しいものを選びなさい。
    1. 1ベルヌーイ分布: 平均を中心とした左右対称の釣鐘型の連続分布。二項分布: 一定時間に稀な事象が起こる回数。ポアソン分布: 成功か失敗かの1回の試行。正規分布: 成功確率pの試行をn回行ったときの成功回数
    2. 2ベルヌーイ分布: 成功確率pの試行をn回行ったときの成功回数。二項分布: 成功か失敗かの1回の試行。ポアソン分布: 平均を中心とした左右対称の釣鐘型の連続分布。正規分布: 一定時間に稀な事象が起こる回数
    3. 3ベルヌーイ分布: 一定時間に稀な事象が起こる回数。二項分布: 平均を中心とした左右対称の釣鐘型の連続分布。ポアソン分布: 成功確率pの試行をn回行ったときの成功回数。正規分布: 成功か失敗かの1回の試行
    4. 4ベルヌーイ分布: 成功か失敗かの1回の試行。二項分布: 成功確率pの試行をn回行ったときの成功回数。ポアソン分布: 一定時間に稀な事象が起こる回数。正規分布: 平均を中心とした左右対称の釣鐘型の連続分布
    答えと解説

    正解: 4

    ベルヌーイ分布はコイン投げのような2値の1回の試行、二項分布はそれをn回繰り返したときの成功回数の分布、ポアソン分布は「1時間あたりの問い合わせ件数」のように一定区間に稀な事象が起こる回数の分布で、いずれも離散分布です。正規分布(ガウス分布)は平均と分散で形が決まる連続分布で、多くの自然現象や誤差の分布に現れ、中心極限定理により標本平均の分布も近似します。

  5. 問5
    事象Bが起きたという条件のもとで事象Aが起きる確率を条件付き確率P(A|B)という。P(A|B)の定義として正しいものを選びなさい。
    1. 1P(A|B) = P(A∩B) ÷ P(B)
    2. 2P(A|B) = P(A) × P(B)
    3. 3P(A|B) = P(A) + P(B)
    4. 4P(A|B) = P(B) ÷ P(A∩B)
    答えと解説

    正解: 1

    条件付き確率は、Bが起きた場合の中でAも起きている割合なので、AとBが同時に起きる確率P(A∩B)をP(B)で割って求めます。この関係を変形したものがベイズの定理で、事前確率を観測データで更新して事後確率を求める考え方は、スパムフィルタや機械学習の多くの手法の基礎になっています。P(A)×P(B)はAとBが独立なときの同時確率、和は排反事象のどちらかが起こる確率です。

  6. 問6
    モデルのパラメータを推定する方法である「最小二乗法」と「最尤法」の説明の組み合わせとして正しいものを選びなさい。
    1. 1最小二乗法: モデルのパラメータの個数が最小になるように変数を選択する。最尤法: 観測されたデータの個数が最大になるように標本を追加してパラメータを決める
    2. 2最小二乗法: 予測値と実測値の差の二乗和が最小になるようにパラメータを決める。最尤法: 観測されたデータが得られる確率(尤度)が最大になるようにパラメータを決める
    3. 3最小二乗法: 観測されたデータが得られる確率(尤度)が最大になるようにパラメータを決める。最尤法: 予測値と実測値の差の二乗和が最小になるようにパラメータを決める
    4. 4最小二乗法: 予測値と実測値の差の絶対値の和が最小になるようにパラメータを決める。最尤法: パラメータの事前分布と尤度の積が最大になる点をパラメータとして採用する
    答えと解説

    正解: 2

    最小二乗法は線形回帰の標準的な推定法で、残差の二乗和を最小化する直線を求めます。最尤法は、パラメータを持つ確率モデルのもとで手元のデータが観測される確率(尤度)を最大にするパラメータを選ぶ方法で、ロジスティック回帰やニューラルネットワークの交差エントロピー最小化も最尤法の一種と見なせます。誤差が正規分布に従う場合、最小二乗法は最尤法と一致します。

  7. 問7
    統計的仮説検定において、「新しい広告は売上に影響しない」のように、否定されることを期待して立てる仮説と、それに対立して主張したい仮説の名称の組み合わせとして正しいものを選びなさい。
    1. 1前者: 事前確率、後者: 事後確率
    2. 2前者: 母集団、後者: 標本
    3. 3前者: 帰無仮説、後者: 対立仮説
    4. 4前者: 対立仮説、後者: 帰無仮説
    答えと解説

    正解: 3

    仮説検定では、まず「差がない」「効果がない」という帰無仮説を立て、観測データがその仮説のもとでどれくらい起こりにくいか(p値)を計算します。p値が有意水準(例: 5%)より小さければ帰無仮説を棄却し、対立仮説(差がある、効果がある)を採択します。A/Bテストの評価などで使われる考え方です。事前・事後確率はベイズ推定、母集団と標本はデータの範囲に関する用語です。

  8. 問8
    2つのベクトルの「近さ」を測る指標に関する記述として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 1ユークリッド距離は各次元の差の絶対値の和、コサイン類似度はベクトルの大きさのみを比較して向きは無視する指標で画像の類似度によく使われ、マハラノビス距離はデータの分散や相関を考慮せずに距離を測る指標でクラスタリングには使えない
    2. 2ユークリッド距離はベクトルの大きさを無視して向きの近さを-1〜1で表す指標、コサイン類似度は2点間の直線距離で文書の類似度によく使われ、マハラノビス距離は文字列の挿入・削除・置換の回数で類似度を測る指標でスペル訂正などに使われる
    3. 3ユークリッド距離は2点間の直線距離、コサイン類似度はベクトルの向きの近さを0〜1で表す指標で負の値は取らず、マハラノビス距離は2つの集合の共通要素の割合で類似度を測る指標で文書の重複検出などに使われる
    4. 4ユークリッド距離は2点間の直線距離、コサイン類似度はベクトルの大きさを無視して向きの近さを-1〜1で表す指標で文書の類似度によく使われ、マハラノビス距離はデータの分散や相関を考慮して距離を測る指標で外れ値検出などに使われる
    答えと解説

    正解: 4

    ユークリッド距離は座標の差の二乗和の平方根で、最も基本的な距離です。コサイン類似度は2つのベクトルのなす角の余弦で、単語や文書のベクトルのように長さより方向が意味を持つ場合に使われます。マハラノビス距離は各変数のばらつきと変数間の相関で正規化した距離で、分布の中心からの離れ具合を公平に測れるため、異常検知に用いられます。

  9. 問9
    統計・情報理論の用語の説明として、誤っているものを選びなさい。
    1. 1相互情報量は、2つの変数が独立であるときに最大になる
    2. 2相互情報量は、2つの確率変数の一方を知ることでもう一方についてどれだけ情報が得られるかを表し、独立なら0になる
    3. 3移動平均は、時系列データの各時点で直近の一定期間の平均を取ることで、短期的な変動をならして傾向を見やすくする手法である
    4. 4度数分布は、データをいくつかの区間に分けて各区間に入るデータの個数を集計したもので、ヒストグラムで可視化される
    答えと解説

    正解: 1

    相互情報量は2変数の依存の強さを測る量で、独立なら0、依存が強いほど大きくなります。したがって「独立のとき最大」は誤りです。相関係数が直線的な関係しか捉えられないのに対し、相互情報量は非線形な関係も捉えられるため、特徴選択などに使われます。移動平均と度数分布に関する記述は正しい内容です。

  10. 問10
    連続的な値を取る確率変数について、「ある値の周辺で確率がどれだけ集中しているか」を表し、区間で積分すると確率になる関数を何というか。最も適切なものを選びなさい。
    1. 1累積分布関数
    2. 2確率密度関数
    3. 3確率質量関数
    4. 4累積相対度数
    答えと解説

    正解: 2

    連続型の確率変数では特定の1点の確率は0になるため、確率密度関数を定義し、ある区間に入る確率をその区間での積分(グラフの面積)として求めます。正規分布の釣鐘型の曲線は確率密度関数です。期待値は確率変数の値に確率(密度)を掛けて足し合わせた(積分した)平均にあたる値です。累積度数は度数分布の累積、相関係数と標準偏差は別の統計量です。

  11. 問11
    機械学習の最適化で微分(勾配)が用いられる理由として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 1誤差関数をパラメータで微分した値は、訓練データ全体の誤差の平均を表すため、その値を見ればモデルがデータの中心をどれだけ正確に捉えているかが分かる
    2. 2誤差関数をパラメータで微分した値は、モデルの出力を確率として合計1に正規化する操作に相当し、分類問題で各クラスの確率を求めるために必要になる
    3. 3誤差関数をパラメータで微分した値は、パラメータをわずかに動かしたときに誤差がどの方向にどれだけ変化するかを示すため、誤差が減る方向にパラメータを更新できる
    4. 4誤差関数をパラメータで微分した値は、そのパラメータにおけるモデルの正解率を表すため、微分の値が大きいパラメータほど予測に貢献していると判断できる
    答えと解説

    正解: 3

    誤差関数の勾配は、各パラメータを増やしたときに誤差がどれだけ増減するかを表します。勾配降下法は勾配と逆の方向にパラメータを更新して誤差を減らします。微分は正解率や平均、確率の正規化を表すものではありません。

  12. 問12
    公正なサイコロを1回振って出る目の期待値として正しいものを選びなさい。
    1. 14.5
    2. 26.0
    3. 33.0
    4. 43.5
    答えと解説

    正解: 4

    期待値は各値にその確率を掛けて合計したものです。1〜6の目がそれぞれ確率1/6で出るので、(1+2+3+4+5+6)/6 = 21/6 = 3.5 になります。期待値は実際に出る値と一致する必要はなく、多数回の試行の平均が近づく値です。

  13. 問13
    表が出る確率が0.5のコインを3回投げたとき、表がちょうど2回出る確率として正しいものを選びなさい。
    1. 13/8
    2. 24/8
    3. 31/8
    4. 42/8
    答えと解説

    正解: 1

    3回のうち表が2回出るパターンは「表表裏」「表裏表」「裏表表」の3通りで、各パターンの確率は (1/2)^3 = 1/8 です。したがって 3 × 1/8 = 3/8 になります。1回の試行の結果がベルヌーイ分布、n回の試行での成功回数が二項分布に従います。

  14. 問14
    あるテストの点数が平均60点、標準偏差10点の正規分布に従うとき、50点から70点の範囲に入る受験者の割合として最も近いものを選びなさい。
    1. 1約50%
    2. 2約68%
    3. 3約95%
    4. 4約99.7%
    答えと解説

    正解: 2

    正規分布では、平均 ± 1標準偏差の範囲に約68%、± 2標準偏差の範囲に約95%、± 3標準偏差の範囲に約99.7%のデータが含まれます。50〜70点は平均60点 ± 10点、すなわち ± 1標準偏差の範囲なので約68%です。

  15. 問15
    データ「2、4、6、8」の分散(偏差の二乗の平均)として正しいものを選びなさい。
    1. 120
    2. 22
    3. 35
    4. 4√5
    答えと解説

    正解: 3

    平均は (2+4+6+8)/4 = 5 です。各値の偏差は −3、−1、1、3 で、二乗すると 9、1、1、9、合計20を4で割った5が分散です。標準偏差はその平方根の√5(約2.24)で、20は偏差の二乗の合計です。

  16. 問16
    2つの変数の共分散と相関係数に関する記述として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 1共分散は2変数のばらつきの積であるため常に0以上の値を取り、一方が増えると他方が減る傾向は共分散では表せない。相関係数は共分散を2変数の平均の積で割って0〜1に正規化した値である
    2. 2共分散は2変数の単位に依存しない値で、変数の単位を変えても値は変わらない。相関係数は共分散をそれぞれの分散で割った値であり、測定単位を変えると値も変わるため、変数間の比較には向かない
    3. 3相関係数が0であれば2変数の間には線形・非線形を問わず関係が存在せず、相関係数が1に近いほど一方が他方の原因であることを示す。共分散は相関係数にそれぞれの平均を掛けて求める値である
    4. 4共分散は2変数が同じ方向に変動する傾向を表し、正なら一方が増えると他方も増える傾向、負なら逆の傾向を示す。相関係数は共分散をそれぞれの標準偏差で割って−1〜1に正規化した値である
    答えと解説

    正解: 4

    共分散は偏差の積の平均で、単位に依存し正負の値を取ります。相関係数は共分散を両変数の標準偏差の積で割ったもので、単位に依存せず−1〜1の範囲に収まります。相関係数が0でも、U字型のような非線形の関係が存在することはあります。

  17. 問17
    データをいくつかの区間(階級)に分け、各区間に含まれるデータの個数を数えて表にしたものと、それを棒グラフで表したものの名称の組み合わせとして正しいものを選びなさい。
    1. 1度数分布表、ヒストグラム
    2. 2散布図、箱ひげ図
    3. 3相関表、折れ線グラフ
    4. 4分散表、円グラフ
    答えと解説

    正解: 1

    度数分布表は階級ごとの度数(個数)をまとめた表、ヒストグラムはそれを棒グラフで可視化したもので、データの分布の形や最頻値(最も度数の多い階級)を把握するのに使います。散布図は2変数の関係、箱ひげ図は四分位数による分布の要約を表す図です。

  18. 問18
    日ごとの売上のように変動の大きい時系列データで、直近数日分の平均を順にずらしながら計算し、短期的なノイズをならして傾向を見やすくする手法を( )という。括弧に入る語として最も適切なものを選びなさい。
    1. 1交差検証
    2. 2移動平均
    3. 3最尤法
    4. 4主成分分析
    答えと解説

    正解: 2

    移動平均は、一定の窓幅(例えば7日)のデータの平均を、窓をずらしながら計算する平滑化の手法で、株価や売上のトレンド把握に広く使われます。最尤法はパラメータの推定法、主成分分析は次元削減、交差検証はモデルの評価方法です。

  19. 問19
    2つのベクトル a = (1, 0) と b = (1, 1) のコサイン類似度として最も近い値を選びなさい。
    1. 10.50
    2. 20.87
    3. 30.71
    4. 41.41
    答えと解説

    正解: 3

    コサイン類似度は内積をそれぞれのベクトルの長さの積で割った値です。内積は 1×1 + 0×1 = 1、aの長さは1、bの長さは√2なので、1/√2 ≒ 0.71 になります。これは2つのベクトルのなす角45度のコサインに等しく、向きが同じなら1、直交すれば0になります。

  20. 問20
    偏相関係数の説明として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 12つの変数のうち一方だけの分散を他方の分散で割って求める指標で、回帰モデルの当てはまりの良さを表すのに使われる
    2. 2第3の変数の影響を含めたまま、3つ以上の変数の相関係数を平均して1つにまとめた指標で、多重共線性の検出に使われる
    3. 3順位に変換した2つの変数の間の相関の強さを表す指標で、外れ値や非線形な関係がある場合に使われる
    4. 4第3の変数の影響を取り除いたうえで、2つの変数の間の相関の強さを表す指標で、疑似相関を見抜くのに使われる
    答えと解説

    正解: 4

    アイスクリームの売上と水難事故のように、気温という第3の変数が両方に影響して見かけ上の相関(疑似相関)が生じることがあります。偏相関係数は気温の影響を除いた上での2変数の相関を求めるもので、これが0に近ければ直接の関係はないと判断できます。分散や平均、符号の反転を表す指標ではありません。

  21. 問21
    コールセンターに1時間あたりに届く問い合わせ件数のように、一定時間に起こる稀な事象の回数を表すのに用いられる確率分布として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 1ベルヌーイ分布
    2. 2正規分布
    3. 3二項分布
    4. 4ポアソン分布
    答えと解説

    正解: 4

    ポアソン分布は、一定時間に起こる稀な事象の回数を表す確率分布で、1時間あたりの問い合わせ件数などに用いられます。ベルヌーイ分布は1回の試行が成功か失敗か、二項分布はn回の独立な試行での成功回数を表す分布です。正規分布は平均を中心とした左右対称の釣鐘型の連続分布で、回数を数える場面の分布ではありません。

  22. 問22
    相関に関する記述として、誤っているものを選びなさい。
    1. 1相関係数が0であれば、2つの変数の間にはどのような関係も存在しない
    2. 2相関係数は、共分散を両方の標準偏差の積で割り−1〜1に正規化した値である
    3. 32つの変数に強い相関があっても、因果関係があるとは限らない
    4. 4共分散は単位に依存するため、測定の単位を変えると値が変わる
    答えと解説

    正解: 1

    相関係数は直線的な関係の強さを表す指標で、0であっても非線形の関係が存在することはありえます。相関係数が共分散を標準偏差の積で割って正規化した値であること、相関は因果を意味しないこと、共分散が単位に依存することは、いずれも正しい記述です。

  23. 問23
    ある重みwについて、誤差関数をwで微分した値(勾配)が正であった。勾配降下法でwを更新する方向として、最も適切なものを選びなさい。
    1. 1wを大きくする方向に更新する
    2. 2勾配が正なのでwは更新しない
    3. 3wの符号を反転させて更新する
    4. 4wを小さくする方向に更新する
    答えと解説

    正解: 4

    勾配が正であることは、wを大きくすると誤差が増えることを意味します。勾配降下法は勾配と逆の方向にパラメータを更新して誤差を減らすため、wを小さくする方向に動かします。wを大きくすると誤差は増え、勾配が正のまま更新を止めると誤差は減らず、符号の反転は勾配の向きと無関係な操作です。

  24. 問24
    工場の設備で温度と振動の2つのセンサー値を監視し、異常を検知したい。2つの値には強い相関があるため、データの分散と相関を考慮した距離を使いたい。最も適切なものを選びなさい。
    1. 1ユークリッド距離
    2. 2コサイン類似度
    3. 3マハラノビス距離
    4. 4相互情報量
    答えと解説

    正解: 3

    マハラノビス距離はデータの分散と相関を考慮した距離で、異常検知に使われます。ユークリッド距離は通常の直線距離で、変数間の相関を考慮しません。コサイン類似度はベクトルのなす角による類似度で文書の類似度などに使い、相互情報量は2つの変数の依存の強さを表す量で、個々のデータの異常度を測る距離ではありません。

  25. 問25
    事象Aと事象Bが同時に起こる確率P(A∩B)が0.12、事象Bが起こる確率P(B)が0.3のとき、条件付き確率P(A|B)として正しいものを選びなさい。
    1. 10.4
    2. 20.036
    3. 30.18
    4. 42.5
    答えと解説

    正解: 1

    条件付き確率はP(A|B) = P(A∩B)/P(B) で定義されるため、0.12 ÷ 0.3 = 0.4 です。0.036は2つの確率を掛けた値、0.18は差を取った値です。2.5は分母と分子を逆にした値で、確率は1を超えないため誤りです。

  26. 問26
    代表値と推定に関する記述として、誤っているものを選びなさい。
    1. 1最頻値は、データの中で最も多く現れる値である
    2. 2標準偏差は分散の平方根で、元のデータと同じ単位を持つ
    3. 3最尤法は、観測データが得られる確率(尤度)を最大にするパラメータを求める
    4. 4中央値は合計を個数で割った値で、外れ値の影響を受けやすい
    答えと解説

    正解: 4

    合計を個数で割った値は平均であり、外れ値の影響を受けやすいのも平均です。中央値は並べたときの中央の値で外れ値に強い代表値なので、この記述は誤りです。最頻値は最も多く現れる値、標準偏差は分散の平方根で元のデータと同じ単位を持ち、最尤法は尤度を最大にするパラメータを求める方法です。