AIブームの歴史と直面した問題
| ブーム | 時期 | 中心技術 | 限界 |
|---|---|---|---|
| 第一次 | 1950〜60年代 | 探索・推論 | トイ・プロブレムしか解けない、フレーム問題 |
| 第二次 | 1980年代 | 知識表現、エキスパートシステム | 知識獲得のボトルネック |
| 第三次 | 2010年代〜 | 機械学習、ディープラーニング | 説明可能性、公平性など |
第一次ブームで解けたのは、ルールと目的が明確な迷路やパズルのような「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」だけでした。第二次ブームでは専門家の知識を人が聞き出してルール化する作業が膨大で、知識獲得のボトルネックに突き当たりました。ルールベース機械翻訳が統計的機械翻訳に置き換えられたのも、この限界の表れです。
フレーム問題
ロボットが洞窟から爆弾の載ったバッテリーを運び出す思考実験で知られます。ある課題に関係のある事柄だけを選び出して考慮することは、無限にある「関係のない事柄」を除外する必要があり、現実世界では極めて困難であるという問題です。人工知能の根本的な難問とされます。
シンボルグラウンディング問題と身体性
「シマウマ=シマ模様のあるウマ」と記号で定義しても、コンピュータは実物のシマウマを見てその記号と結びつけられません。記号(シンボル)とその意味を接地(グラウンディング)できないというこの問題に対し、身体を通じて環境と相互作用することで概念を獲得すべきだとする考え方が身体性のアプローチです。
チューリングテストとローブナーコンテスト
アラン・チューリングが提案した、機械が人間と区別がつかない会話ができれば知能があると見なすテストです。1991年から開催されているローブナーコンテストはこの形式で会話プログラムを競います。試験では「チューリングテストは機械の内部構造を検査する」といった誤りが出ます。
中国語の部屋、強いAIと弱いAI
哲学者ジョン・サールは、中国語を理解しない人が規則書どおりに記号を操作して正しい返答を返す「中国語の部屋」の思考実験で、テストに合格しても「理解」しているとは言えないと主張しました。サールは人間と同等の心を持つ「強いAI」と、道具として特定の課題をこなす「弱いAI」を区別しています。
シンギュラリティ
人工知能が自分より賢い人工知能を作れるようになり、技術の進歩が人間に予測できない速さで進む転換点です。レイ・カーツワイルは2045年ごろに到来すると予測しました。
試験で問われる観点
- 各ブームの中心技術と限界(トイ・プロブレム、フレーム問題、知識獲得のボトルネック)
- フレーム問題とシンボルグラウンディング問題の違い
- チューリングテストの提案者、中国語の部屋の提案者(サール)、強いAI・弱いAI
- シンギュラリティの意味と2045年







